寝室の壁一面に“手書きのセリフ”がビッシリ… 「役者に引退はない」と語っていた俳優・仲代達矢さんが燃やし続けた執念
「役者に引退はない」
俳優座の門をたたいたのは19歳の時。舞台役者を続けながら、映画「七人の侍」で端役デビューを果たすと、その後は映画やテレビの世界でも第一線を走り続けた。「影武者」「二百三高地」「新・平家物語」「大地の子」……誰もが記憶にとどめる作品の数々に、仲代さんの姿はあった。
1975年には妻と共に俳優養成所「無名塾」を立ち上げ、役所広司、若村麻由美、滝藤賢一らを世に送り出した。そして彼らと共に作る舞台こそ、仲代さんの真骨頂だったのであろう。再演が最後の舞台となった「バリモア」と向き合いながら、こんなことを語っていた。バリモアとは往年のハリウッド俳優の名だ。
「“夢が後悔に変わるまで、人は年を取らない”。バリモアの言葉です。スポーツ選手と違って役者に引退はない。舞台で死ぬのが役者の本望といいますが、僕は、イヤだ」
夢を持ち続けた俳優は、これからも私たちの中で生き続ける。









