「そして誰も日本のコメを買わなくなった」は本当か 「5キロ5000円」で加速する“コメ離れ”…SNS上には「日本人の主食はパスタに」「トルコ産パスタは生活必需品」の声も
コメの輸入量が急伸
「財務省が10月30日に発表した貿易統計によると、今年度上半期に民間企業が輸入したコメは約8万6000トンに達しました。前年同期は、たったの約400トンでしたから、比較すると約200倍という桁違いの伸びを示したのです。ちなみに8万6000トンのうち、約8割がアメリカ産のコメでした。民間がコメを輸入すると1キロ341円の関税がかかります。しかし、それでも国産米より安いのはご存知の通りです。国産米が5キロ5000円台で高止りしているのに対し、カリフォルニア米は良心的な業者だと5キロ3000台円で売っています。時事通信は記事で《今後も民間輸入は活発化しそうだ》と伝えましたが当然でしょう(註2)」(同・担当記者)
こちらもXを見てみよう。《コストコで5kg2999円のカリフォルニア米を確保。子ども3人いると5kgなんて2週間くらいで消える》、《今スーパーに出てるカリフォルニア米や台湾米は美味しいと思う》、《カリフォルニア米安くて美味しくて神》、《我が家は今はカリフォルニア米です》──。
「都内のスーパーを回ると、まず、あれだけ話題になった“備蓄米”は影も形もありません。完全に消えてしまった印象です。入札を行った“江藤米”だろうが、随意契約の“小泉米”だろうが、同じです。私が見学に行ったスーパーのうち、1軒は『今後、備蓄米が入荷されることはありません』と張り紙を出していました」(同・記者)
5キロ3000円を超えると不買
まだコメの高騰が始まっていなかった昨年の夏までは、国産の格安ブランド米が売られていたが、こちらも同じく姿を消した。
「一方、カリフォルニア米は店頭に並ぶと、あっという間に消えてしまいます。そして棚には5000円台の国産新米が売れ残り、誰も見向きもしません。やはり消費者は非常に正直です。今年6月に随意契約で備蓄米が販売されると、コメの平均価格は5キロ4176円から3920円に下がり、コメの販売量は右肩上がりに転じました。今のところ今年になって最もコメが売れたのは7月28日から8月3日の週で、この時は平均価格が3542円、ブレンド米の平均価格は2999円でした。コメ5キロが3000円を超えると消費者のコメ離れが進むということをデータは明白に示しています」(同・記者)
コメ離れが進んでいるにもかかわらず、国はおこめ券の配布を進めているようだ。この政策は矛盾ではないのか……。
第2回【「おこめ券」は本当に物価高対策になるか 「JA」「鈴木農水相」が全面支援も…「5キロ5000円」時代には“焼け石に水”との声も】では、おこめ券を受け取っても、国民は不満を持つ可能性についてお伝えする──。
註1:だぶつく新米…倉庫に山盛り 「注文が極端に鈍い」卸業者不安 在庫をなすり合い(テレ朝NEWS:11月10日)
註2:コメの民間輸入量、208倍に 今年度上半期、国産米高騰で(時事通信:10月31日)
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