トランプ大統領が韓国の“原子力潜水艦”保有にOKも…専門家は「韓国に原潜はオーバースペック」と断言 「コスパが最悪」と呼べる2つの要素とは
韓国に原潜は“オーバースペック”
韓国政府は今のところアメリカと密接な協議を続けながら、韓国国内で原潜を建造することを理解させる方針のようだ。
最悪の場合、米韓原子力協定が2035年に期限切れとなることも想定しているとの報道もある。原潜を建造しながら協定の期限切れを待ち、切れた後は核燃料の自国製造を強行することも可能というわけだ。(註2)
軍事ジャーナリストは「韓国政府は自国に原潜が必要な理由として、中国と北朝鮮の脅威を理由に挙げています」と言う。
「脅威が存在するのは事実でしょう。韓国にとって原潜の保有は国家的悲願でしたが、アメリカは認めてきませんでした。それがトランプ政権になって態度を一変させたのは、中国の軍事威嚇が露骨になってきたことも大きいと思います。しかし韓国は領海も排他的経済水域も狭く、黄海や日本海は浸水が浅いという特徴があります。原潜が持つ最大の長所は『無補給で長期の航海が可能』という点です。ところが黄海や日本海で原潜を稼働させても、いわゆる“オーバースペック”になってしまうのです」
原潜には長所もあれば短所もある。短所として真っ先に挙げられるのが「建造費と運用コストが非常に高い」ことだろう。アメリカ海軍のように太平洋と大西洋の広大な海域をカバーする場合なら、原潜のメリットはデメリットを上回る。
2つの大きなハードル
「しかし韓国海軍が原潜を自国で開発し、建造したとしても、コストパフォーマンスは最悪でしょう。そもそも軍備計画とは国家予算を圧迫しないよう配慮しながら、陸・海・空のバランスを取る必要があります。韓国が原潜という“金食い虫”に注力し、他の軍備計画に悪影響を与えては元も子もないはずです」(同・軍事ジャーナリスト)
だが多額の予算をつぎ込んで韓国が原潜の建造を進めたとしても、そこには大きなハードルがいくつも立ち塞がる。
第2回【韓国の「原潜」建造は“過剰軍備”か…専門家は「原潜は作ったら終わりではない」と指摘 運用する際にぶち当たる「最大の問題」】では、原潜を開発するための技術的ハードルと、運用するための人的ハードルが決して容易な障害物ではないことをお伝えする──。
註1:李在明大統領は「韓国内で独自設計・建造」原潜用の濃縮ウランを要求、トランプ大統領は「米国内で建造」承認(朝鮮日報・日本語電子版:11月4日)
註2:原潜建造巡り韓国政府は「韓米原子力協定の改訂不要」「米国内で建造の条件なし」と認識【独自】(同前:11月7日)





