新曲「昭和のおとこ」が好発進の鳥羽一郎、ともに音楽界で奮闘する長男・次男への想いを明かす 台湾での“女子人気”がアップ中という驚きの事実も
新曲「昭和のおとこ」が好発進! 「男宿」は台湾でカバーが人気に
さて、ここからは、その同日に配信され、10月1日にCDでもリリースされたシングル「昭和のおとこ」についても語ってもらおう。昭和時代を想起させるマイナー調の演歌で、既にオリコン初登場49位(演歌・歌謡曲部門では7位)、カラオケでも10月27日現在、演歌・歌謡曲部門でTOP50近辺をキープ。’25年の男性演歌歌手の新曲の中では、最上位となっている。
この曲は作詞:かず翼、作曲:徳久広司、編曲:南郷達也だが、この3人といえば、Spotifyランキングでも6位の「戻れないんだよ」、10位の「されど人生」など、近年の作品でも人気がある作家陣だ。’17年に船村徹が逝去したあと、着実に鳥羽一郎の新機軸になっていると言えるだろう。
「そうです、その2作のような昭和の切ない歌が得意だと思うので、今回もお願いしました。カラオケでは、最後の“昭和の男で生きていく”という部分のメロディーで同じ音が続くところがあって間違いやすいので、注意しながら歌ってください」
カップリングは、穏やかなミディアム調の「おふくろ月夜」。Spotify5位の「海の匂いのお母さん」同様に、鳥羽の母を慕う優しさが歌声からにじみ出ている。
「これは、白い割烹着を着て頬被りをしているような、まさに昭和のお袋をイメージして作ってもらいました」
今回、ほぼ全曲解禁となったのを機に、改めて聴いてほしい楽曲を尋ねてみると、
「このTOP40の表にはないけれど、’14年にリリースした『晩秋歌』はぜひとも聴いてもらいたいですね(現在49位)。途中で都々逸(どどいつ)が入るのだけれど、船村先生が良いメロディーをつけてくださったんですよ。今でも、カラオケで自分の歌をリクエストされた時はこれを選ぶくらい気に入っています。それと、30位の『港の美夜古衆』は自分が「島根良太郎」というペンネームで作曲もしているのですが、福岡県の苅田町(かんだちょう)の街を歌っています」
最後に、とても興味深いエピソードを語ってくれた。
「あとね、この13位にある『男宿』! 当時はシングル『羅臼の男』のカップリングだったのだけれど、今、台湾でカバーされていて、海外で人気らしいんですよ。作詞の新本創子先生から、“台湾に行ったら、みんなカラオケで、しかも女の人がいっぱい歌っているのよ”と教えてもらいました。それでYouTubeをチェックしてみたら、いろんな人がカバーした動画があがっていてビックリしました」
鳥羽が取材中に初めて目を丸くして語ったので、レコード会社のスタッフにその場で調べてもらったところ、台湾のほか日系人の多いブラジルでも人気となっていることが分かった。カップリングにひそかに収録された楽曲が、過去に『紅白』でも歌われた「師匠(おやじ)」や「演歌船」と同レベルの人気になっているというのが興味深い。
今や、“シティ・ポップ”というカテゴリーで、数多くの日本のポップスが世界的にヒットしているが、いよいよ演歌でも“「真夜中のドア」現象”が起こりつつあるのか!? これまで想定外のヒットがあまりにも多い鳥羽一郎だからこそ、今後も大いに注目したいところだ。
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インタビュー第1弾ではサブスク再生回数ダントツの「兄弟船」について、第2弾では「カサブランカ」などの楽曲について語ってくれた。
【INFORMATION】
◎ニューシングル『昭和のおとこ』発売中
<収録曲>
1. 昭和のおとこ
作詩:かず翼 / 作曲:徳久広司 / 編曲:南郷達也
2. おふくろ月夜
作詩:さくらちさと / 作曲:徳久広司 / 編曲:南郷達也
3. 昭和のおとこ(オリジナル・カラオケ)
4. おふくろ月夜(オリジナル・カラオケ)
◎岩手「クラウンミュージックフェスティバル」開催
・日程:2025年12月7日(日) 12:30〜/16:30〜(2回公演)
・会場:矢巾町・田園ホール
・料金:全席指定5,000円(税込)








