名古屋が「アイドルの聖地」に? ボイメン仕掛け人が明かす、東京・大阪にはない「独自の熱狂」
「世界アイドル共和国」
東京・秋葉原でも、大阪・日本橋でもない、名古屋にこの夏「アイドルの聖地」がオープンした。アイドルに“なりきれる”スポットがなぜ名古屋に? それを紐解くと、名古屋独特の“カワイイ”カルチャーへの熱さが見えてくる。【大宮高史/ライター】
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【写真】「推しと同じ視点を味わいたい」圧倒的な没入感…体験型スタジオ&常設ステージ
2025年8月29日に名古屋・栄にオープンした「世界アイドル共和国」。ライブハウスとしてライブやイベントに使われるだけでなく、アイドルになる体験もできることが売りだ。
本物の楽屋さながらのメイクアップルームでのメイクや衣装替えから、ステージ上でスポットライトを浴びての撮影やアイドル体験ができる。全国にライブハウスやスタジオは数多あれど、本職さながらの衣装でアイドルになりきれる場所はここだけだ。
もとより、この施設は名古屋発のボーイズアイドルBOYS AND MEN(ボイメン)などをプロデュースしている株式会社NDPが運営。同社代表で、ボイメンの仕掛け人でもある谷口誠治氏は開場のねらいを、「インバウンド需要はもちろん、同時に国内のアイドルファンにも“ここに来れば新しい発見がある”と思ってもらえる場にしたいと考えています」と説明している。
「かつては観客としてステージを眺めるのが主流でしたが、いまは『自分も参加したい』『推しと同じ視点を味わいたい』というニーズが高まっています。そこで私たちは、単なる観賞施設ではなく、ファンがアイドルの立場に立って歌ったり踊ったり、あるいは“応援する側”を体験できるような空間にしました。能動的に関わることで、アイドル文化への理解や共感がぐっと深まりますし、名古屋を訪れる観光客にもユニークな体験価値を提供できると考えています」(谷口氏)
名古屋といえばもう一つ「世界コスプレサミット」で世界からコスプレファンが集まる、コスプレのメッカでもある。2003年の初開催から23年目に突入したこのイベントは、名古屋市内各所でコスプレイベントを開催、とりわけ中心地となった大須や栄とサブカルチャーとの距離を縮めた。
開催のきっかけは発足時から実行委員長を務める小栗徳丸氏が、テレビ愛知でコスプレにまつわる番組を手がけていたことに始まる。それがきっかけで世界でのコスプレ熱に着目し、2003年に初めてのイベントを開催した。
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