「トランプ氏の孫娘」大会出場決定で米ゴルフ界が大騒ぎ トップジュニアに程遠い腕前でも、大会側が評価した「真の実力」とは
評価の基準はスター並みの注目度
だが、カイさんの話題性はそれだけではない。彼女はトランプ氏の大統領選キャンペーン中に応援スピーチを行うなど、アクティブな姿を大勢の人々の前で披露した。SNSのフォロワーも540万人超を誇るインフルエンサーだ。
大手ゴルフ用品メーカーのテーラーメイドとは、ハイスクール在学中の17歳にしてアンバサダー契約を結び、アマチュアのうちからテーラーメイド・ファミリーの仲間入りを果たしている。
今年2月に開催されたPGAツアーの「ウッズの大会」ジェネシス招待では、プロアマ戦でローリー・マキロイと同組で回ったり、ウッズと並んで歩いたりして、注目の的になった。そんな彼女の存在は、すでにスター並みと言っても過言ではない。
ペリカンGCのシーハンCOO氏が指摘した通り、たとえ彼女のことが「好きでも嫌いでも」、彼女が出場する大会のことを大勢の人々が話題にしていることは事実だ。大会ホストを務めるアニカ・ソレンスタムの夫、マイク・マクギー氏も、シーハンCOO同様、カイさんへのスポンサー推薦を「妥当なものだ」と主張している。
「カイ・トランプがスポンサー推薦にふさわしいか、ふさわしくないか? そんな議論そのものが、クレイジーだ。私たちが目指しているのは、女子ゴルフに光を当てること。彼女は何百万人もの人々の関心を引き付けるに違いない」
かつてもあった同様の批判
大会ホストのソレンスタムは、スウェーデン出身の55歳。かつての女王は、カイさんにスポンサー推薦を出したことに対する是非の論議を、どう感じているのか。
「カイ・トランプを大会に迎えることに私はワクワクしている。スポンサー推薦というものは、スポンサーが独自の考えに基づいて選手を選び、オファーするものです」
ソレンスタムの言葉が、「だから、つべこべ言うべからず」という意味であることは、明らかである。振り返れば、そのソレンスタム自身が、かつてスポンサー推薦の是非論議の「渦中の人」になったことがあった。
2000年代序盤、米ゴルフ界では「女子選手がPGAツアーの大会で男子選手と伍して戦い、予選を通過することはできるのか?」に興味関心が集まっていた。当時「天才少女」と呼ばれていたハワイ出身のミッシェル・ウィーが、「私は男子の試合で戦いたい」と公言していたことがそのきっかけだ。
そんな流れの中、ソレンスタムは2003年5月、PGAツアーのバンク・オブ・アメリカ・コロニアルという大会にスポンサー推薦で出場した。世間からも、他の男子選手からも、「なぜ女子選手に貴重な出場枠をオファーするのか?」「単なる人寄せパンダだ」といった批判の声が上がった。
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