田中みな実が「嫌われるのも分かる」と言われ続ける理由  「みんなに好かれたい病」は現代人を映す鏡か

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 今月、亀梨和也(39)との破局が報じられた田中みな実(38)。この報道を巡っても、田中に問題があるかのような臆測記事も多く出ているが、なぜ彼女は悪い意味で注目を集めやすいのか……。ライターの冨士海ネコ氏が分析する。

 ***

 ここ数週間、田中みな実さんに関するネガティブな記事が相次いでいる。亀梨和也さんとの破局、ドラマ「フェイクマミー」共演中の波瑠さんとの不仲説など、「こだわりが強く周囲を振り回している」「自分中心」というニュアンスの記事が続いた。そもそも亀梨さんとの交際報道を含め、いずれもドラマ放送期間中に浮上した点からすれば、番宣的な側面もあるだろう。波瑠さんとの件については双方の事務所が否定しており、単なるゴシップに過ぎない。

 しかし世間の反応は「田中みな実ならあり得る」と妙に納得している様子だ。「重い」「自分の意見を押し付け過ぎる」……田中さんがテレビ番組やネット動画で見せてきた振る舞いを、「嫌われる理由」として挙げるコメントは多い。でもその田中さんの態度には、私たちの中にもある「人に好かれたいあまりの過剰適応」が表われているようにも見える。だからこそ彼女は、「嫌われるのも分かる」といわれながらも注目され続けているのではないだろうか。

「努力家」「ストイック」なタレントイメージは自信のなさの裏返し?

 田中さんといえば「努力家」「ストイック」というイメージを挙げる人が多い。特に美容関連に対する意識の高さは同性からの憧れと尊敬を集め、田中さんが紹介した商品は「田中みな実売れ」なるブームを呼ぶという。

 こうした世間からの期待が、ますます田中さんの「ストイック」さに拍車をかけているのではないか。見た目だけでなく、男性から見ても「イイ女」に見られる振る舞いを心がけているなど、度々トーク番組などで明かしている田中さんだが、それは「完璧でありたい」という強迫観念にもつながっている。

 だからこそ、共演者への「良かれと思っての助言」が「上から目線」と誤解されやすく、「自分の意見を押し付けて息苦しい」という印象になるのだろう。おそらく田中さん自身は自分を守るために丁寧に接しているだろうが、かえって「わたしが納得するような完璧な人でないと許さない」というような壁をつくってしまう。かつてはマネージャーへのパワハラ疑惑や、共演した芸人や先輩から「目も合わせない」「人によって態度を変える」と指摘されたこともあった。

 だから田中さんの「完璧主義ゆえの厳しい対応」は、共感と反発の両方を呼ぶ。「あざとくて何が悪いの?」でしたたかな処世術を披露し一躍ブレイクした田中さんだが、本質はとてもアンバランスで、要領の悪い人なのではないだろうか。ただその不器用さをキャラにすることもなく、美しく完璧な私として振る舞い続ける。そこに危うさを感じている視聴者は多いことだろう。

次ページ:「いい子でいたい」「期待に応えたい」……田中みな実は現代人を映す「鏡」である

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。