「クマが世田谷区に出没する可能性も」 すでに青梅や八王子で目撃情報が… 「移動距離は1日10キロ」
世田谷区などの市街地に迷い出る可能性も
さらに衝撃的なことに、市街地に慣れたクマは、
「ハイカロリーな食べ物に囲まれて太ってくる。こうした栄養状態がいいクマは冬眠をする必要がなく、ますます市街地に依存するようになる」(日本ツキノワグマ研究所の米田一彦代表)
というから、冬になればクマがおとなしくなる、という期待もできないのだ。
しかし、これほどクマの事故が報じられていても、どこか他人事として受け止めている向きも少なくないだろう。が、クマの生態に詳しい石川県立大学の大井徹特任教授は、こう警鐘を鳴らす。
「クマは移動能力が非常に高く、1日に10キロほど移動することもある。もともと都内のクマの生息地は奥多摩でしたが、現在では青梅や八王子での目撃情報があります。新天地を求めたクマが、多摩川沿いの長い旅をすることがあるかもしれません。その過程で人や犬などに驚かされると、クマは何をするか分からない。多摩川が流れる世田谷区などの市街地に迷い出る可能性も否定できません」
もはや、何が起こっても不思議ではない局面なのかもしれない。
前編【「人里で母グマを駆除すると、子グマが“集落依存型”に…」 クマによる人身事故大量発生の理由とは】では、クマによる人身事故が急増している理由について報じている。
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