フジが「紅白」裏番組に抜擢した「新しいカギ」の勝算は? 大晦日は3年連続で「逃走中」放送も視聴率は惨敗

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 フジテレビの大晦日は“鬼ごっこ”から“かくれんぼ”に変更? 3年連続でゲームバラエティ番組「逃走中」を放送してきたフジが、今年は“学校かくれんぼ”が人気のバラエティ番組「新しいカギ」を放送するという。

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 まずは昨年の大晦日、各局がゴールデン帯に放送した番組と視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯)を振り返ってみよう。

●NHK総合「第75回紅白歌合戦」第1部(19:20~20:55)【29・0%】、第2部(21:00~23:45)【32・7%】

●日本テレビ「大晦日もゴチになります!SP」(18:30~23:45)【6・4%】

●テレビ朝日「ザワつく!大晦日2024一茂良純ちさ子の会SP」第1部(17:00~18:00)【10・1%】、第2部(18:00~19:30)【12・7%】、第3部(19:30~23:45)【8・5%】

●TBS「大晦日オールスター体育祭」第1部(17:00~18:00)【6・6%】、第2部(18:00~19:00)【9・6%】、第3部(19:00~23:45)【7・2%】

●テレビ東京「年忘れにっぽんの歌」第1部(16:00~19:00)【5・5%】、第2部(19:00~22:00)【4・8%】/「孤独のグルメ」(22:00~23:30)【4・3%】

●フジテレビ「映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』」(19:00~20:52)【4・1%】/「逃走中 大みそかSP」第1部(20:52~23:45)【3・4%】、第2部(23:45~24:30)【3・9%】

 全チャンネルの視聴率トップは言うまでもなくNHKの「紅白」だったが、第2部は40%に遠く及ばず歴代ワースト2位に。その裏で4年連続の民放トップとなったのがテレ朝の「ザワつくSP」だった。一方、フジの「逃走中SP」は、テレ東の「にっぽんの歌」にも「孤独のグルメ」にも負けていた。民放プロデューサーは言う。

6時間以上も垂れ流した「逃走中」

「フジは2022年から3年連続で『逃走中』を放送してきましたが、視聴率的には結果が出せていませんでした」

 ちなみに、昨年は約3時間半の放送だったが、22年は6時間45分(17:00~23:45)、23年は5時間半(19:00~24:30)も放送していた。

「『逃走中』は早朝の街中やテーマパークなどを舞台にした大規模な“鬼ごっこ”で、それに長時間付き合う視聴者はなかなかいないでしょう。3年やってこれ以上の話題性、注目度、数字が望めないという判断をしたのではないでしょうか」

 フジは今年、中居正広氏の性加害問題をきっかけに1月から複数回の会見を開き経営陣も一新するなど対応に追われた。そんな年を締めくくる大晦日に、人気バラエティ「新しいカギ」を抜擢するという。

「お笑い芸人の霜降り明星、チョコレートプラネット、ハナコをメインにしたバラエティ番組で、『27時間テレビ』での“学校かくれんぼ”や“カギダンススタジアム”が大成功したことを受け、大晦日に高視聴率を狙う勝負に出たのだと思います」

 もっとも「新しいカギ」は最初から人気があったわけではないという。

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