不倫騒動は“最高のネタ”に…ベッキー、地獄を越え再評価 一流芸人がこぞってイジる理由

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バラエティで存在感

 ここ数年、芸能人や有名人が週刊誌でスキャンダルを報じられ、一気に仕事を失ってしまう事態が相次いで起こっている。その原点にして頂点とも言えるのが、ベッキーの不倫報道である。【ラリー遠田/お笑い評論家】

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 数多くの番組に出演して「バラエティの女王」として君臨していた彼女は、既婚アーティストとの不倫疑惑を報じられてしまった。一度は事実を否定したものの、口裏合わせをしているLINEメッセージの内容が流出して、評判は地に落ち、空前絶後の大バッシングを受けた。その後、休止期間を経て復帰を果たしたものの、テレビに出る機会は激減してしまった。

 そんな彼女が最近になって、少しずつバラエティの世界で存在感を取り戻しつつある。
「あのちゃんねる」「相席食堂」「見取り図じゃん」「ラヴィット!」などの人気バラエティに立て続けに出演を果たして、じわじわと注目を集めている。

 さらに特筆すべきは、ハリウッドザコシショウと野性爆弾のくっきー!のYouTubeチャンネル「シュシュっとごくろうさん【Shu-Shu goku】」にもゲストとして出演していたことだ。彼らが好き放題に攻めた笑いを追求するこの動画の中で、ベッキーは口臭を嗅がされたり、セクハラ的なイジリを仕掛けられたり、散々な目に遭っていた。しかし、企画に正面から向き合って場を盛り上げようとする様子は圧巻だった。

 最近のバラエティで見かけるベッキーには、良い意味での開き直りを感じる。騒動前のベッキーは、常に笑顔を絶やさず、ポジティブなメッセージを発し続ける優等生的なタレント像を体現していた。しかし、今の彼女にはそのイメージはない。自虐的に過去を振り返ったり、人気のなさを嘆いたりする姿は、どこか達観しているようでもあり、それが視聴者には新鮮に映っている。

 この変化は、彼女が自身のキャラクターを再構築しつつあることを示している。過去のスキャンダルをタブー視せず、だからといってそこに過度にこだわることもせず、必要に応じてネタにしたり、イジられたときには受け身を取ったりする。騒動から長い時間が過ぎたことで、ようやくバラエティタレントとしてのスキルを無理のない形で生かせるようになりつつあるのだろう。

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