「一般客を装い、売上データを…」 リカちゃん人形のタカラトミーで発生した組織的不正

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連綿と引き継がれてきた不正

 小売店側は、テストセールの売り上げが“仕組まれた数字”であるとは夢にも思わず、売れ行き好調なテスト品を採用するに至った。すなわちタカラトミー側は、小売店を欺いて商品を取り扱わせてきたわけである。

「昨年暮れに発覚した際、被害に遭った小売店は弊社担当者を呼び出したのですが、弊社側はすぐに非を認めることができなかったといいます。その後の社内調査で、こうした“詐欺行為”の始まりは2018年にさかのぼることが判明しました。6年の間に、このテストセールに関する業務は、当初とは別の部署に移管されていますが、新しい部署でも継続して不正が行われてきたのです」(前出の関係者)

 その間、現場の担当者だけでなく、事情を知り得る管理職も交代していた。にもかかわらず、誰一人として声を上げる者はなく、不正は社内で連綿と引き継がれてきたというのだ。関係者が続けて、

「社長は説明会の中で、この事案が『詐欺行為』にあたると自ら述べています。一方で『性弱説』という文言を用い、人としての弱さゆえに“楽をして儲けたい”という衝動に駆られる姿勢を強く戒めていました」

 が、このように長期的かつ組織的な不正が横行し、社内調査から半年以上を経ても「隠蔽」が続いているのであれば、一連の行為は会社の体質に起因するものだと断じざるを得ない。

 後編【「従業員による不正行為が行われてきたことは事実」 タカラトミーに小売店は憤慨 さらに“隠蔽”疑惑も】では、不正が隠蔽されてきた事実などについて詳しく報じる。

週刊新潮 2025年10月30日号掲載

特集「小売店にとっては詐欺行為 “不正テスト販売”を隠蔽していたタカラトミー」より

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