江戸幕府は「江戸」ではなく「京都」にあった――教科書が教えてくれない「本当の歴史」

国内 社会

  • ブックマーク

「江戸幕府の成立は1603年」──誰もが教科書で覚える歴史の常識。新政権が新しく建てた江戸城の大広間で、勢ぞろいした諸大名を前に、徳川家康が自らの権力を誇示する……そんなイメージが頭に浮かびますが、それは本当に事実だったのでしょうか?

 実は、家康が任官したのは京都であり、当時の政治の中心も江戸ではなく伏見城にありました。老中制度すら整わぬ時代に、江戸に巨大な官僚組織としての幕府を構えていたと想定するのは後世の虚像に過ぎません。
 
 国際日本文化研究センター名誉教授で近世史の第一人者である笠谷和比古氏は、新刊『論争 大坂の陣』(新潮選書)で、家康の時代における幕府の実像について詳述しています。...

つづきを読む