住宅価格“沸騰”時代の「マンションvs.戸建て」論争 1.3億円超の都心に対し郊外では「新たな動き」も
老後資金まで考えれば、住宅購入価格はなるべく抑えたいところだが…
住宅の資産価値も重要だが、お金の工面も大切だ。将来を見据えるなら、60歳時点で住宅ローンの残債を上回る金融資産は確保したい。
2024年の家計調査報告書によれば、世帯主が50代の二人以上世帯の平均貯蓄残高が1798万円であるのに対し、平均負債残高は、729万円。60代を前にして、負債を貯蓄が上回っている。
また、世帯主が65歳以上で2人以上世帯の平均貯蓄現在高は、2560万円。約3分の1の世帯で2500万円以上の貯蓄残高がある。ある程度の余裕資金を残すためには、住宅の購入予算も抑える必要がある。
通勤利便性が高く、広さにもゆとりがあれば長く快適に過ごせるのだろうが、予算には限りがある。マンション、一戸建てともに価格が上昇する中で、予算内で理想の交通アクセスと広さを満たす住まいを見つけることは簡単ではない。
都心近郊の城東エリアでマンションを探していたBさんもそう感じた一人だった。夫婦2人暮らしで、賃料20万円の賃貸マンションに住んでいたが子供が誕生したことで、マンション購入を決意。既に価格高騰している新築マンションをあきらめ、中古マンションを探したが希望の広さだと予算を上回る8000万円超が必要だった。
そうした中、Bさんが住宅のポータルサイトで見つけたのが新築建売住宅だった。中古マンション価格の7割程度の予算で手が届き駅アクセスも良好。勤務地であるJR山手線駅へ30分程度で通勤が可能だ。住宅ローンの返済を含めた毎月の家計収支にも余裕が生まれた。夫婦ともに戸建て育ちで、暮らしがイメージしやすかったことも決め手になった。
「どんな住まいが家族を幸せにするか」を考えて選択肢を増やすことで、家族にフィットする住まいに出会える可能性も広がる。
新築マンションの供給が減ったとはいえ、首都圏だけでも2025年度上半期で9150戸もの供給があった。また、2025年9月時点の中古マンションの首都圏在庫件数は、4万3000件超もある。2025年9月の首都圏中古マンション成約件数は4475件で前年比プラス46.9%と大きく増加。中古マンションに目を向けている人も多い。
まずはお金のことも含め、家族が求める理想の暮らしをしっかり考えてみては、いかがだろうか。
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