「藤川阪神」を倒して“常勝軍団”復活なるか? ソフトバンクの不安材料は「ここ一番でやらかしてきた過去」との指摘も

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 10月25日、阪神とソフトバンクの日本シリーズが開幕する。第1戦はソフトバンクの本拠地、みずほPayPayドームで午後6時半のプレーボール。XなどSNSの下馬評は「阪神有利」の声が──僅差だとはいえ──目立つようだ。理由の一つが、両チームのクライマックスシリーズ(CS)が対照的だったことだろう。(全3回の第1回)

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 セ・リーグ優勝の阪神はCSファイナルステージで2位のDeNAと対戦。2−0、5−3、4−0と全く危なげのない3連勝で、アドバンテージの1勝を加えて無敗で日本シリーズ進出を決めた。

 同じくソフトバンクもパ・リーグを制して2位の日ハムと対戦した。1、2戦は2−1、3−0と連勝し、アドバンテージの1勝を加えて日本シリーズ出場に王手をかけた。担当記者が言う。

「ところが日ハムのエース・伊藤大海が第3戦に先発すると、8回無失点とソフトバンク打線を沈黙させたのです。気迫溢れるピッチングに味方打線も奮起して6−0で勝利しました。伊藤は試合終了後に『流れを変えるという気持ちだった』と振り返りましたが、その通りの展開になります。波に乗って第4戦は9−3、第5戦は7−1と3連勝し、あと1勝で日本シリーズ進出という展開に野球ファンは盛り上がりました」

 日ハムは投手陣の好投が続いたほか、フランミル・レイエスを筆頭に打線がソフトバンク投手陣を完全に打ち砕いた。

「野球ファンの多くは、昨年のソフトバンクが日本シリーズでDeNA相手にまさかの敗北に終わったことを思い出したでしょう。何しろ敵地で2連勝しながら、みずほPayPayドームで3連敗。その後も流れは変わらず、横浜スタジアムに移動しての第6戦も11−2の大差で敗れ、2勝4敗のシーズン敗退が決まったのです」(同・担当記者)

日本シリーズとCSの共通点

 昨年の日本シリーズと今年のCSファイナルステージを比較すると、ソフトバンクの“悪い流れ”には共通点があったという。

「昨年の日本シリーズの第1戦と第2戦、そして今年のCSファイナルステージでの第1戦と第2戦、ソフトバンクは共に2連勝しました。しかし、相手を完璧にねじ伏せるような試合内容ではなかったのです。そして第3戦ではDeNAの東克樹投手、日ハムの伊藤大海投手の好投に手も足も出ず、第4戦と第5戦は打線が完全に沈黙してしまいました。ベンチが重苦しいムードに包まれ、多くの選手が茫然自失という表情だったのも似ていたと思います。今年のCSは最終の第6戦でリバン・モイネロ投手が日ハム打線を封じ込め、何とか2−1で辛勝しました。しかしながらネット上では『これでは阪神に勝てない』という投稿が殺到したのです」(同・担当記者)

 野球解説者の前田幸長氏はロッテ、中日、巨人の3球団で投手として活躍。先発、中継ぎ、クローザーの全てを経験した。

 解説者としてはニッポン放送や東京スポーツのほか、福岡のKBCラジオにもレギュラー出演しており、ソフトバンク戦を担当している。

 そもそも前田氏は福岡県生まれで、福岡第一高校のエースとして甲子園に出場、3年生だった1988年の夏の甲子園でチームは準優勝に輝いた。

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