「金髪ロングのギャル姿」→「前髪ぱっつんピンクヘア」 エルフ荒川の“激変ショット”が賞賛されるワケ
底抜けの明るさ
そんな中で、荒川は誰の目にも明らかな純度100%のギャル芸人として注目を集めた。金髪ロング、派手なメイクとネイル、カラフルなギャルファッションという外見に加えて、底抜けの明るさを持っていて、「ハッシュタグ」「ハピネス」などと叫ぶ持ちギャグもある。彼女は万人が思い描くギャルイメージの典型のようなキャラクターである。
芸人志望だった荒川は、養成所でボーイッシュな外見のはると出会い、エルフを結成した。しかし、デビューしてすぐに「ギャル芸人」というキャラクターを確立できていたわけではなかった。もともとギャルファッションは好きだったが、芸人の世界ではそういう部分を出してはいけないと思い込んでいたため、結成当初は当たり障りのない服装でネタをやっていた。
だが、試しにギャルのキャラクターを出してみたところ、その方が観客の反応も良く、周囲からの評価も高いということに気付き、徐々にギャル要素を強く出していくようになった。芸人は目の前の観客を笑わせる仕事であるため、求められていることをできるかどうかが重要だ。ギャルというわかりやすくポップな要素を持っていた荒川は、それを生かすことで独自の地位を築くことに成功した。
キャラクター先行型の芸人と思われがちだが、エルフはネタにも定評があり、「女芸人No.1決定戦 THE W」では3年連続で決勝に進んでおり、2023年には準優勝を果たした。
彼女は見た目を武器にしながらも、それに甘えることなく、たしかなトーク力で笑いを生み出している。ファッションやメイクが注目されても、それが本業の邪魔になることはない。むしろ「芸人でありながら1人の女性でもある」という価値観を自然体で体現していることで同性のファンに支持されている面もある。
今回のイメチェンで大反響を巻き起こしたのも、彼女の自由な生き方を象徴するものだ。見た目を変えても芯がぶれることはない。常に自分をアップデートし、変化を楽しむ姿勢も彼女の魅力である。荒川は、笑いの世界で「ギャル」をポジティブに再定義した稀有な存在なのだ。








