阪神と巨人がドラフトでも「伝統の一戦」!? 過去10年で5度も“1位指名”が重複…今年はどうなる?

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強打者タイプの補強は必要

 阪神の場合、高校生右腕である西(来季から野手に転向)と森木は、怪我などもあり伸び悩んだものの、近本と森下、伊原は1年目から一軍の戦力として活躍し、期待に応えている。確実に補強したいポジションにこだわり、実力がある選手を獲得してきたドラフト戦略が奏功した結果だろう。

 一方、巨人は、最終的に獲得した選手を見ると、阪神に比べて主力に定着している選手は少ないものの、大勢は1年目から抑えとして活躍し、石塚も高卒ルーキーながら一軍昇格を果たしており、必ずしも失敗しているとは言えない。

 それでは気になるのが、今年のドラフトだ。過去の傾向を考慮すると阪神と巨人は、冒頭で触れた目玉候補である立石に入札する可能性が極めて高いのではないだろうか。

 阪神は森下をはじめ、佐藤と大山悠輔で強力なクリーンアップを誇っているが、佐藤は将来的にメジャー移籍が噂されており、大山も年々成績が下降気味であるため、強打者タイプの補強は必要になるだろう。

 一方、巨人も主砲である岡本和真のメジャー移籍が現実味を帯びている。今季途中にトレードでソフトバンクからリチャードを獲得したとはいえ、打線の中軸を担う選手の補強は、大きなポイントとなるだろう。

 では、立石を抽選で外した場合、両球団はどのように動くのか。この点についても展望しておきたい。

 阪神は、過去の傾向と同様に長打が期待できる内野手に向かうのではないか。そこで名前が挙がるのが、法政大の松下歩叶と日本大の谷端将伍だ。

 松下は、東京六大学野球で現役最多の通算11本塁打(10月20日現在)を記録している。今年7月に行われた日米大学野球で大学日本代表の主将を務めるなど、彼のリーダーシップが光った。

 谷端は3年生の時に、全国トップレベルを誇る東都大学野球の一部リーグで、春秋連続で首位打者を獲得している。日本大は二部リーグに降格したが、今年の秋季リーグでサイクルヒットを達成した。佐藤や大山の後釜としても、阪神にマッチする人材と言えるだろう。

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