「二岡ヘッド」「駒田3軍監督」退団で、来季巨人に「阿部イエスマン政権」誕生の懸念 今季も選手は「試合中、ベンチのほうばかり気にしていた」

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浅野の復調をサポート

 駒田3軍監督が退団した影響も懸念される。22年に就任すると熱い指導で若手を鍛え上げた。今年は笹原操希、三塚琉生が育成契約から支配下に昇格して1軍デビュー。浅野翔吾が打撃不振でファームでも結果を残せず、3軍に降格した際は復調をサポートした。

「矢野謙次2軍打撃チーフコーチ、橋本到2軍打撃コーチの指導能力が高いと言えない中、駒田さんの手腕はもっと評価されるべきです。独立リーグの高知で監督を4年間務めた実績がプラスになっているのでしょう。自分の考えを伝えながらも選手の声にも耳を傾けて柔軟性がありました。63歳と他のコーチより二回り近く年上でしたが、グラウンドに出ると一番元気でした。コーチ陣の若返りを図るための退団と見られていますが、若手の育成で貢献度が高く、このタイミングでの退任はもったいないなと感じましたね」(スポーツ紙記者)

ピントがずれた補強

 来年のコーチングスタッフはまだ発表されていないが、監督の権限が強くなりすぎるとコーチが顔色を窺うようになり、その空気が選手たちにも伝染する。巨人を取材するライターは「今季終盤にその兆候が出ていました」と明かす。

「投手が先頭打者に四球を出したり、野手が犠打をミスしたりすると、阿部監督があからさまに苛立った態度を出す。周りのコーチもその態度を見て見ぬふりです。選手たちはベンチをちらちら見て、目の前の勝負に集中できていないように感じました。だから、巨人はベンチ内の空気が暗い。シーズン途中に早々と優勝争いから脱落したことが影響していることは間違いないですが、他球団の選手たちが『あんな雰囲気でプレーしたくない』と漏らしていたのが印象的でした」

 この言葉を裏付けるわけではないが、大型補強が代名詞だった巨人が近年はFAで他球団に敗れるケースが珍しくない。23年オフは山崎福也(日本ハム)、昨オフは石川柊太(ロッテ)のFA補強に乗り出したが断られ、クリーンアップを打つ強打者として白羽の矢を立てた大山悠輔(阪神)にも熱心にアプローチしたが、土壇場で阪神残留が決まった。今オフはタイガースやヤンキース3Aでプレーし、日本球界復帰を明言した前田健太、国内FA権を取得した中日・柳裕也の獲得に動くことがメディアで報じられているが、巨人OBは「補強のピントがずれている」と手厳しい。

「前田は田中将大と同学年の37歳です。近年の米国でのパフォーマンスを見ると全盛期より明らかに落ちていますし、日本球界で活躍できるかというと疑問が残ります。柳も他球団から見ればそこまで脅威ではない。先発のコマがそろっていないことは確かに問題点ですが、阪神のように生え抜きを育てなければ常勝軍団は築けません」

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