「二岡ヘッド」「駒田3軍監督」退団で、来季巨人に「阿部イエスマン政権」誕生の懸念 今季も選手は「試合中、ベンチのほうばかり気にしていた」

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 CSファイナルステージが行われていた最中の10月15日、巨人の阿部慎之助監督(46)が山口寿一オーナーにシーズン終了報告を行った。今季はレギュラーシーズン3位、CSもファーストステージで2連敗して終戦。報告前日の10月14日には、二岡智宏ヘッド兼打撃チーフコーチと、駒田徳広3軍監督の今季限りの退任が発表されるなど、早くも来季のV奪回に向けての動きが始まった。しかし、この人事に早速不安の声が上がっているという。

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橋上コーチを側近に

 2名の退任が発表されたのは、CS敗退が決まったわずか2日後のことだった。

「リーグ優勝を飾った阪神に15ゲームの大差をつけられ、ヘッドコーチの二岡さんが責任を取る形となりましたが、このコーチ人事はある程度予想できました。阿部監督は二岡ヘッドコーチと波長が合うわけではない。彼ではなく、野球観が合う橋上秀樹作戦戦略コーチを側近に据えたいのでしょう。監督と橋上コーチとは、共著も出すほど関係が深いですからね。脇を固める村田善則総合コーチ、杉内俊哉投手チーフコーチ、亀井善行打撃コーチ、実松一成バッテリーコーチは監督にモノを言える指導者ではない。心配なのは、コーチ陣が阿部監督のイエスマンで固められてしまうことです」(スポーツ紙デスク)

信用できる二岡コーチ

 思い出されるのが、長期政権を敷いた原辰徳前監督の晩年だ。第3次政権で21、22年と2年連続リーグ優勝を逃すと、翌23年に「デーブ」の愛称で知られる大久保博元氏を一軍打撃チーフコーチで招聘したが4位に低迷。原前監督は2年連続Bクラスに終わったこの年限りで退任し、大久保打撃チーフコーチも1年で退団した。

「デーブさんが就任すると、『監督へのヨイショが凄い』という話がすぐに広がり、選手たちの心が離れてしまった。一部の主力選手はデーブさんと会話すらしないという異常な状況でした。コーチ陣もバラバラで、チームが一致団結して戦う空気ではなかったですね」(当時の球団関係者)

 コーチの立ち振る舞いに、選手は敏感だ。その点で言うと、二岡コーチの姿勢は他のコーチと違ったという。巨人でプレーした選手が振り返る。

「二岡さんは和気あいあいとした雰囲気から距離を置き、俯瞰した視点でチームを見ていました。印象的だった場面があって。昨年の試合で岡本和真が見逃し三振に倒れ、ストライク判定に不満な表情を浮かべて主審と口論になった時がありました。阿部監督はベンチ裏に引き上げ、他のコーチも気づいていなかったのですが、二岡さんは異変を察知して一塁ベンチから走って飛び出し、岡本と審判の間に入ってくれた。あのまま誰も止めに入らなかったら、岡本は退場処分になっていたかもしれない。選手に対して厳しかったけど、いざという時は守ってくれる。信用できる方でしたね」

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