タイガー・ウッズ「奇跡の復活劇」で日本を沸かせて6年…最新発表「7度目の腰の手術」に至るまでの苦難と驚きの“交際報道”

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 ゴルフ界のスーパースターとして、日本でも高い人気と知名度を誇るタイガー・ウッズ。今季は1試合も出場できず、10月10日には7度目となる腰の手術を受けたことを自身のSNSで発表した。この先どうなるのか……と、世界中のファンが不安を募らせていることだろう。

 1993年に渡米し、25年以上にわたって現地でゴルフ取材を続けた唯一の日本人ジャーナリスト、舩越園子氏。『TIGER WORDS: タイガー・ウッズ 復活の言霊』など数々の著書で知られる舩越氏が、ウッズの近年と現在、そして今後を解説する。【全2回の第1回】

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ウッズがベイカレントを熱狂させた6年前

 先週は「日本で開催される唯一のPGAツアーの大会」として、ベイカレントクラシック・プレゼンテッド・バイ・レクサス(10月9日~12日、横浜カントリークラブ)が開催され、大いなる盛り上がりを見せた。

 ゴルフにあまり馴染みのない方々からは、ベイカレント・クラシックという大会名を「初めて耳にした」といった声も聞かれたが、それもそのはず、この大会名での開催は今年が初めて。昨年までの6年間は、ZOZOチャンピオンシップという名の下、千葉県のアコーディア・ゴルフ習志野(現・習志野カントリークラブ)で大会が行われていた。

 そして、初開催だった2019年大会に勝利を挙げて、初代チャンピオンに輝いたのは、ゴルフ界の王者、タイガー・ウッズだった。あのときの熱狂と興奮は、6年が経過した今でも鮮明に覚えている。

 生涯4度目の腰の手術を受けて長期で戦線離脱していたウッズは、2018年の秋にようやく第一線に復帰すると、最終戦のツアー選手権で奇跡の復活優勝を果たした。年が明けると、2019年マスターズでも勝利してメジャー通算15勝目を挙げ、それからわずか半年後の10月に、来日して同大会に臨んだ。

ウッズの決意が見えた「82」の缶バッジ

 日本のゴルフファンは、奇跡の復活劇を繰り広げていたウッズを一目見たい一心で、練習日から習志野へ足を運び、コース周辺の道路は大渋滞になった。最寄り駅にも人々が溢れ返り、バスやタクシーを待ちきれずに徒歩でコースへ急ぐ姿も目立った。

 日本の大きな注目を浴びていたウッズは、期待に応えるように、見事勝利。サム・スニードによって打ち立てられたPGAツアー史上最多勝利数の記録に並ぶ、通算82勝目を達成した。

 最終日の夕暮れ時、ウッズは「82」と記された特製の缶バッジを、現地で取材していたメディアに配った。

「王様」でありながら、私たち庶民と同じように、何かの記念日や記念の印などを大切に思う感覚も持ち合わせ、人々を驚かせたり、喜ばせたりすることも大好きな茶目っけも持ち合わせているウッズのことだ。日本で勝利することを予想して、いや、そうしてみせると心に決めて、あらかじめ缶バッジを大量注文し、日本へ持参していたのだと思う。もちろん私も1ついただき、今でも大切に保管している。

 そして、ウッズ自身がそんな演出をしたことが、すでに運命を示していたのかどうか。日本で挙げたその勝利は、現状では、ウッズにとって最後の優勝となっている。

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