スカウト陣が注目する“大化け候補” 身長190cm超「大型選手3人衆」の実力と将来性を分析する！
10月23日に行われるプロ野球ドラフト会議。1位指名の選手に注目が集まる一方で、年々増加傾向にあるのが育成ドラフトで指名される選手だ。今年のドラフト候補の中にも、現在の評価は育成ドラフトでの指名であっても、将来は大きく化ける才能を秘めた選手が少なくない。今回の記事では、いずれも身長が190cmを超える大型選手3人にスポットを当ててみたい。【西尾典文／野球ライター】
ボールには数字以上の勢いが
最も注目したい選手は、創価大の大型右腕である山崎太陽だ。彼は東京都出身で、中学時代は羽村リトルシニアでプレーしていた。高校は愛媛県にある帝京第五に進学した。当時は大型捕手として中軸を任されていたが、全国的には無名だった。
その後、創価大へ進学すると、肩の強さを生かして投手に転向した。3年生になると、東京新大学野球の春季リーグ戦、杏林大戦で公式戦デビューを飾った。筆者は現地で山崎のピッチングを見た。長身から繰り出すストレートは最速148キロに達し、そのボールの勢いに驚かされたことをよく覚えている。しかし体つきは、高校時代に捕手だったと思えないほど細く、フォームもぎこちなく、ドラフト戦線に浮上するには時間がかかりそうだという印象を受けた。
今年3月に行われたJR東日本とのオープン戦では、リリーフでマウンドにあがり、3回を投げて4つの三振を奪ったものの、被安打2、3四球、1失点と安定感を欠いた。
しかしながら、彼に対する印象が変わったのは、6月の大学選手権で見せたピッチングだった。
初戦の東亜大戦で0対0の8回から登板し、2イニングを無失点に抑える好投を見せた。タイブレークとなった延長10回に崩れ負け投手となったが、ぎこちなかったフォームは滑らかになり、力みなく投げ込むストレートは最速149キロに達し、ボールには数字以上の勢いがあった。
セ・リーグ球団のスカウトは、山崎について次のように語る。
「まだバラつきはありますが、指にかかった時のボールの勢いは素晴らしい。少し腕が遅れて出てくるため、球持ちが長く、打者からするとタイミングを取りにくいですね。あれだけの長身（193cm）があり、大学から投手を始めたこともあって、成長の余地は大きく、これからまだまだ伸びていくでしょう」
山崎は前述の大学選手権後に右肘を故障し、10月5日終了時点で秋のリーグ戦に復帰できていない。それを考えると、球団にとって支配下指名にはリスクが残る。だが、素材の良さは誰もが認めるところだ。本人が育成でのプロ入りをOKとするなら、複数の球団が獲得を狙うこともありそうだ。
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