「最悪の状況下で両親に人生の終末を迎えさせてしまった」 横尾忠則が思い出す“家族の記憶”

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 今までにも、小出しにちょこちょこ書いてきましたが、僕を育ててくれた養父母のことを書いて置きたいと思います。

 戸籍では僕が4歳の時に横尾家の養子になったと記されているけれど、もし、そうだったら、4歳の時に実の両親から切り離されて横尾家に行ったことになります。すでに物心のついた年齢だから、養子先きの夫婦にそう簡単に懐かないように思います。

 第一、僕の「忠則」という名前は、養母の母親が神道の黒住教の女官であったために、教祖の黒住宗忠神の「忠」を頂いて、神主が命名したと聞かされていました。...

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