下剋上へ“怒涛の3連勝”も大反撃を食らう…CS&プレーオフ最終戦までもつれた「大激戦集」

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 10月15日からクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが開幕した。日本シリーズ出場をかけて、セ・リーグは阪神とDeNA、パ・リーグはソフトバンクと日本ハムが熱戦を繰り広げている。最長で6試合の短期決戦ながら、過去には最終戦までもつれた大激戦も何度かあった。その中からファンの記憶に残る3つのカードを紹介する。【久保田龍雄/ライター】

徳俵に足がかかった状態

 いきなり3連敗の崖っぷちから、執念の3連勝で日本シリーズ進出を決めたのが、2012年の巨人である。

 同年の巨人は、豊富な投手陣と打線がかみ合い、2位・中日に10.5ゲーム差をつけて、ぶっちぎりVを果たした。

 中日はファーストステージでヤクルトを2勝1敗で下したものの、総力戦で消耗したため、下馬評では巨人が断然有利と見られていた。

 しかし、流れを掴んだのは、中日だった。第1戦で3本のタイムリーと4投手の好継投で3対1と逃げ切ると、第2戦も伊藤準規が8回途中2失点と好投し、5対2で連勝した。第3戦も延長10回の末、代打・堂上剛裕が中前タイムリーを放ち5対4の劇的勝利を収め、王手をかけた。想定外とも言うべき快進撃に、高木守道監督も「3つ勝つと、ちょっと欲が出てくるね。明日も何としても勝ちたい」と語り、4タテでの日本シリーズ進出に意欲を見せた。

 一方、後がなくなった巨人も、「相撲でたとえるなら、徳俵に足がかかった状態。押し返していこう」という原辰徳監督の檄にナインが応え、逆襲に転じた。
第4戦で4番・阿部慎之助が2本のタイムリーを放ち、3対1の逃げ切りで連敗を止めると、第5戦も2対2の9回に代打・石井義人が左前サヨナラタイムリーを放ち、アドバンテージも含めて3勝3敗のタイに戻した。

 そして、10月22日の第6戦も、第2戦で苦杯をなめた伊藤から2回に怒涛の5連打で3点を先制すると、5回にも村田修一の中越えソロで突き放す。投げては、5回を2安打無失点の先発・ホールトンら4投手の継投で4対2の勝利。

 3連敗後の3連勝という大逆転劇に、原監督は「開き直りもあったでしょうが、選手たちが力を出して、非常に価値ある日本シリーズ進出だと思う」と述べ、3年ぶり日本一奪回に闘志を新たにした。

 一方、あと一歩及ばなかった高木監督は「(第1戦から)3連敗なら悔しくないけど、3連勝したから悔しいよ」と無念の表情だった。

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