「魅力度ランキング」では最下位争いの常連も「佐賀県は意外といいところ!」…現地在住の編集者が物申す「知り合いがいれば魅力的に見える」

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ランキング低位県にも訪れて

 不動産サイトなどが「人気の駅ランキング」などをやるが、コレって本当に役に立つの? ただただ、上位に入った駅の近くの不動産価格を上げるだけの効果しかないのではないだろうか?

 私の地元・東京都立川市はこの手のランキングで上位に入るが、とんでもない! IKEAや伊勢丹があったり、昭和記念公園があったりするから評判はいいが、私の家があるエリアは立川駅から徒歩25分で、シャッター商店街である。朝の通勤・通学時間帯は駅までの大動脈・立川通りの多くが片道一車線のため、バスに乗っても時間がかかる。地元民からすれば不満はあるが、駅周辺や、人気の施設だけをベースに非住民は勝手に美化してくれる。

 一方、ブランド総研のランキング最下位常連の佐賀県民としては、若干複雑な気持ちがある。というのも、過小評価され過ぎているのだ。別に本当にロクでもない県で魅力がないのならばランキングが低くてもまったく構わないのだが、意外といい県なんですよね。

 それは、前出・大東建託の住民も含めた調査結果を見ればわかるだろう。40位と低位ではあるものの、住人にとっては快適だし、外からのリピーターもかなり多い。本稿を執筆している10月10日、突然知人のK氏から連絡があった。

「今から唐津に行きます」

 はぁ? 一体お前は何を言っておるのだ、と思わないでもないが、彼の来佐(佐賀に来る、の意味)は12回目。人生で色々疲れたため、唐津の人々と触れ合って癒やされたいのであろう。すぐに唐津の仲間に連絡を取ると、この日の夜は、友人の農家宅での大宴会となり、K氏はそのまま家に泊まってしまうという。翌日は私と一緒に釣りをし、夜は飲んで再び唐津の彼を知る人々が集まり宴会となる。

 こうしたことから「都道府県魅力度」なんてものは、「どの土地に知り合いやお気に入りの店があるか」でしかないと思う。何しろ日本全国ウマいものはあるわけだし、サービスの質もどこも高い。ランキングによってレッテルを貼られているわけだが、まぁ、広い目でランキング低位県にも訪れてほしい。

ネットニュース編集者・中川淳一郎

デイリー新潮編集部

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