「手取り7万円」で“奴隷契約” 秀ノ山親方のひどすぎる仕打ちを元マネージャーが激白

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 元大関琴奨菊こと秀ノ山親方(41)は現役時代、気は優しくて力持ちといわれ、温厚なキャラクターで人気を博した。ところが師匠となった今、パワハラを告発する元部下が現れた。まるで“奴隷契約”だったという被害の実態とは。

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絶対的な上下関係

 琴奨菊といえば、最後の仕切りで塩をまく前、両腕を広げて背中を反るポーズ“琴バウアー”だ。

「フィギュアスケートの技、イナバウアーにちなんで名付けられました。このユニークなルーティンが代名詞だったように、親しみやすい雰囲気で相撲ファンから愛されましたね。2016年の初場所で、日本出身力士として10年ぶりの優勝を果たしたこともありました」(大相撲担当記者)

 20年の11月場所で現役を引退し、年寄「秀ノ山」を襲名。出身の佐渡ケ嶽部屋での部屋付き親方を経て、昨年10月に独立したばかりだが、

「秀ノ山親方からのパワハラで精神を病み、適応障害を患いました」

 とは、今年5月から9月上旬まで、東京・東向島の秀ノ山部屋で私設マネージャーを務めた高木康介さん(仮名)。かつては琴奨菊の弟弟子で付け人だった。

「私が入門した時、親方はすでに大関琴奨菊として君臨しており、絶対的な上下関係がありました。自分は幕下で引退した後、飲食店を営んでいましたが、かねて親方から“マネージャーをやってくれ”とお願いされていた。角界に未練はなく、OKする気はありませんでしたが、親方が“給料は安いけど、いい力士をスカウトしてくれたら報酬を支払う”と言うので、つい心が動き、引き受けてしまったのです」(同)

3カ月半働いて休みは6日

 いざマネージャー生活が始まると、スカウトに行く時間など全く取れなかったそうだ。

「最初の約3カ月半は、合計で6日しか休みが取れませんでした。平日にありとあらゆる雑務をこなし、土日もイベントへの参加や後援者との付き合いを半ば強制されていました」(高木さん)

 副業が事実上できなかったこともあり、生活は厳しかったという。

「月給は18万円でしたが、社宅費の8万円と社会保険料などを引くと、手取りが7万円しか残りませんでした。親方に“家賃補助を5万円出すから”と迫られ、後援者が所有する家賃13万円のマンションを、社宅として8万円で借りなくてはいけなかったのです」(同)

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