“前代未聞の移籍”から1年半 TBS「どうなの会」が民放同時間帯視聴率トップに上り詰めたワケ
TBSでジワジワ人気に
「日テレ系で放送されていたものの日テレが制作した番組ではなかったし、制作の中京テレビもスタッフの実績と気持ちを汲くんで移籍を不問とした。また、制作会社の極東電視台が日テレでも『世界の果てまでイッテQ!』や『有吉ゼミ』などの看板番組を手がけていることもあり、日テレも強い態度に出られなかったのです」
かくしてTBSの「それって実際どうなの会」は、計6回の特番を経て昨年10月から水曜20時台のゴールデン帯でレギュラー化された。
「当初はゴールデンで視聴率5%前後と、悪くはないが良くもないという状態が続きました。いくら深夜の人気番組でもゴールデンという“銀座の大通り”に出ればキツいですからね。正直言ってMCもリポーターも時代の申し子と言うほどの人気はないし、日テレ時代にはスタジオにいた博多華丸・大吉もいなくなった。なにより、どんな企画に挑戦してもあっという間にモノにしてしまう“ワイルドスピード”森川葵が出演しなくなったことで、日テレも見くびっていたようです」
ところが「それって実際どうなの会」はジワジワと数字を上げていった。
「今年1月8日の放送ではゲストとして木村拓哉が出演し、体当たり企画『生瀬と釣りで一獲千金を狙う!!』に挑戦。今年は5月と6月に2時間スペシャル、7月には3時間スペシャルが放送され、看板番組に成長していったのです」
そしてついに視聴率で横並びトップとなった。
律儀な番組作り
「この日もザ・たっちの『おかず大盛りとごはん大盛り、どっちが太る?』を筆頭に、レギュラーの大島美幸(森三中)とゲストの橋本マナミの検証モノと、2時間スペシャルと言ってもいつも通りの内容でした」
どうしてトップに立てたのだろう。
「ザ・たっちやチャンカワイ(Wエンジン)などが意外と数字を持っていますし、長時間の検証を汗水垂らしながら一生懸命やっているリポーターに視聴者は胸を打たれるのではないでしょうか。確かに“ワイルドスピード”森川はいませんが、緑川静香の『スマホで家の不要品全部売る』や狩野英孝&大島てるの『激セマ駐車場に駐車』といった移籍前の人気企画も変わっていません。リポーターをコロコロ変えず、いつも同じ顔なので、小さな運命共同体的な安心感も日本人に響くのだと思います」
日テレの「それって実際どうなる課」が終了後、同じ枠で中京テレビ制作の番組がスタートしたが、そちらはすでに終了している。
「1年経って結果を出したわけです。番組を企画したプロデューサーは当初、スポーツ紙の取材に『手間と時間のかかる、ということを臆さないことと、正直な結果で勝負することを番組の約束事として、制作に臨んでいる』と答えていましたが、律儀にそれを続けた結果でしょう。同業として頭が下がります」







