「…このまま帰るの?」 8歳年上の彼を突き動かしたのは“積極性” 東大卒彼女の高等テクニック

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「半年以内にプロポーズがなかったら……」

 クリスマスイブの衝撃の交際開始から約2年たった頃。彼女の方から「半年以内にプロポーズがなかったらこのご縁はなかったものと思います」と再び衝撃の告白が。團治郎さんは求婚の日程を探り始めた。

 だが「分かりやすい日はイヤ」という彼女がつけた条件から、彼女の誕生月の6月は避け、5月には自身の大きな仕事を抱えていたこともあり、「ならば4月だな」と決心。20日に京都で着物デートの計画があり、その日がいいとひらめいた。

 ただ日程が迫っており、彼女の着物をレンタルする店を探すのもギリギリに。もともと暑さを避けて4月にする計画だったが、行きたいお店の候補も多過ぎて絞り切れず「秋でもいいんじゃない?」と彼女に言われる中、何とか決行した。

 場所は夜の京都タワー。事前に婚約指輪は不要と聞かされながらも、落語家の血が騒ぎ、何かしら面白くしようと、メロン好きの彼女に合わせて本物そっくりの小さなメロンの食品サンプル入りの箱を用意。彼女の眼前でパカッと開いた。

「え? 汁、どうしよう」

 彼女は瞬間、そう思ったが、すぐに気付いて「なんで? なんで?」と喜びと戸惑いの声を連発しつつ、彼の求婚を受け入れた。

 式は来年にも挙げたいが、菜々子さんはハネムーンについて「私が旅行で有休を使い果たしたので、また付与される来年度に」と笑う。子どもは2~3人を考えているが、意外や意外、團治郎さんは落語やお笑いではなく「音楽をやらせたい」。

 菜々子さんが彼の指南で子どもに学ばせたいのは盆踊りだ。吹田市出身の彼は地元の各地区で行われる盆踊りに参加、近所の子どもらに教えながら踊っている。

 そう、東大医学部卒の才をも受け継いだ芸事一家の始まり、始まり~である。

週刊新潮 2025年10月16日号掲載

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