「やなせたかし」さん、死去3カ月前に周囲を驚かせた“余命発言” 当時明かしていた真意と入念な“死に支度”

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 9月26日の本編最終回を最高視聴率で飾ったNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」。かの名作「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さんをモデルにした物語とあって、やなせさん夫妻への注目も高まった。

 生前のやなせさんは、ざっくばらんでストレートな発言でも注目されていた。その最たるものといえば、2013年7月6日、映画版「アンパンマン」25作目の舞台挨拶で飛び出した「余命2~3週間」発言だろう。

 当時のやなせさんは94歳。高齢をネタにした“自虐ジョーク”の真意について、当時の「週刊新潮」はやなせさんご本人に話を聞いていた。やなせさんの死去はこの発言から約3カ月後、同年10月13日のことである。

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(以下、「週刊新潮」2013年7月18号「余命2~3週間は冗談でもアンパンマン『やなせたかし』死に支度」を再編集しました。文中の年齢、肩書等は掲載当時のものです)

突然の「余命宣言」に周囲は

 その瞬間、会場に集まった親子連れや芸能マスコミは騒然となった。7月6日、25作目となる映画版「アンパンマン」の初日舞台挨拶に姿を現したやなせ氏は、

「順大の病院に通ってるんだけど、あと2、3週間しか生きられないって言われてるんだ」

 と、いきなりのカミングアウト。誰もが“まさか”と思いつつ、卒寿をとうに過ぎた御年を考えれば疑いは拭いきれない。そんな場内の雰囲気を察してか、やなせ氏が、

「オレが死ねば(新聞記者が)20行は原稿を書く。いい映画の宣伝になるだろう?」

 と、冗談めかして客席の笑いを誘ったところで挨拶は終了した。だが、果たして本当にただのブラックジョークだったのか。

「かなり前から“もうすぐ死ぬ”と仰ってますね。もう聞き飽きたくらいです」

 一笑に付すのは、やなせ氏と30年来の付き合いという「アンパンマンこどもミュージアム」の佐藤慶夫総館長である。

「企画の打ち合わせの際に年内の予定を尋ねたら、“年内つっても、もうすぐいなくなるんだからいいんだよ”という。そうかと思えば、ステージ衣装を新調して“来年はこれを着ようと思うんだ”と仰ったりね。今でも大変お元気ですよ」

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