「ああでもない、こうでもない、と愚痴をこぼしながら書くのがエッセイ」 横尾忠則がダラダラと考えたこと
描きかけの絵をアトリエで終日ぼんやり、見ていることがある。この先き、どうすればいいのか、どうすればどうなるんだろう。この絵の完成形は誰が知っているのだろうか。神か? そんな大袈裟な存在ではなくとも、誰かが知っているはずだ。その誰かとは誰だ。この僕か、多分そうだろなあ。
一寸先きは闇というが、本当にこの絵がどうなるのかさっぱりわからない。この絵は描きかけのまま、もう1週間以上放置されたままだ。食べ物なら腐るだろう。そろそろナントカごみになるに違いない。...

