餃子の王将・社長射殺事件の公判は“異例”ずくめ ヒットマンは沈黙を貫き「首謀者に迫れるとは思えない」

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170億円が回収不能に

 続いて、王将社内の事情。

「創業者が長年、元ゴルフ場経営者と不適切な取引を繰り返していたというものです。王将フードサービスが公表した第三者委員会による調査報告書で、王将と反社会的勢力との関係は確認されなかったとした一方、彼とのあいだで約260億円にも上る取引を繰り返し、そのうち170億円が回収不能となっている事実が明るみに出たんです」

 この元ゴルフ場経営者は、王将の草創期から新規出店時や暴力団絡みのトラブルなどの際に尽力した人物。

「大東さんは彼との金銭問題を“ワシが解決しないといけない”と言い、関係を絶とうとした。それが事件の背景となっているのではないかと、彼には何度も事情を聴きました。ですが裏付けは取れず、王将側も、彼とのトラブルは解消済みとのスタンスでした」

 公判開始について王将に聞くと、

「事案の解明にご尽力いただいた捜査機関および関係者の皆様に、感謝申し上げます。一日も早い全容解明を願い、引き続き捜査への協力を続けてまいります」

 全容解明どころか“沈黙のヒットマン”の背景も動機も分からずじまいでは、大東さんも浮かばれまい。

週刊新潮 2025年10月16日号掲載

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