「行列代行バイト」も出現? 当選倍率「100倍」の超難関パビリオンも…まもなく閉幕「大阪万博」予約争奪戦の熱狂

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「もう二度と見られない」という心理

 9月半ば以降、大阪・関西万博は「並ばない万博」から「入れない万博」へと変化した。パビリオンの予約どころか、入場予約すらとれなくなってしまった。閉幕が近づくと、「もう二度と見られない」「今行かないと後悔する」という心理が働くため、来場意欲が高まる。そのため会期終盤に最高の入場者数を記録する。それは万博の毎回の現象である。今回の万博が違っていたのは、厳格な入場制限の存在である。これまでの万博ならば、チケットを持ってさえいれば、入場そのものを断られることはなかった。しかし今回は、安全性を重視。日時予約をしなければ、万博会場への入場すらできないのだ。そんな中、争奪戦はより激しくなった。8月29日、万博協会が「早朝におけるゲート前の入場待ち自粛のお願い」というプレスリリースを発表したが効果はなく、むしろ激増の一途を辿った。

 ライブカメラやSNSの投稿から判断すると、現在、午前5時すぎの始発前に並んでいる人の数は300人超。これは隣の舞洲から30分以上かけて橋を渡ってやってきたり、徹夜したりして待っている人の数が、300人を超えているということを意味している。またその列には、未使用入場券の当日券への交換のため、子供を連れて並ぶ人の列まで含まれるようになった。

 閉幕まで残りわずか。万博を巡る狂騒は、いったいどこまでエスカレートしていくのだろうか。

【前編】では、万博東ゲートでの苛烈な予約争奪戦の様子をレポートしている。

西牟田靖(にしむたやすし)
ノンフィクション作家。1970年大阪府生まれ。日本の国境、共同親権などのテーマを取材する。著書に『僕の見た「大日本帝国」』、『わが子に会えない』、『子どもを連れて、逃げました。』など。

デイリー新潮編集部

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