はたしてどこまで描けるか? 戸田恵梨香主演「地獄に堕ちるわよ」が迫る「細木数子さん」の壮絶すぎる人生

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壮絶な人生

「父親が自民党の副総裁などを歴任した大野伴睦氏はじめ、多彩な人脈があったこともあり、若いころから飲食業を堂々と営むことができたのです。そのため、75年には巨額の負債を抱えた演歌歌手の故・島倉千代子さんの後見人に名乗りを上げ金銭トラブルを解決。その後、島倉から10億円以上を手にしたのは有名な話です」(ベテラン芸能記者)

 83年には政財界にも力をもつことで知られる陽明学者・安岡正篤氏と知り合い、結婚の約束を取り交わすも安岡氏の死後、遺族とトラブルになったことも。

「相談者に先祖供養として勧めていたお墓の購入に関して、93年には『不当に高額な墓を買わされた』などとして、霊感商法ばりの損害賠償を求める訴訟を全国各地で起こされ、細木さんは巨額の借金を抱えることになりました。テレビに出演するようになったのは、その返済も背景にあったのでは、と言われていました」(同)

 そして66歳を迎える04年、8月にTBS系で「ズバリ言うわよ!」、誕生日月の11月にフジテレビ系で「幸せって何だっけ~カズカズの宝話~」がスタート。細木さんを起用した人生相談バラエティー番組だが、いずれも高視聴率を記録するのだった。

「10%台どころか、20%台を記録する放送回もあった。それまで細木さんと同じ“毒舌熟女枠”は、故野村沙知代さんや、デヴィ夫人(85)がいました。お二人はズバッと歯切れのいい物言いで人気がありましたが、細木さんはそれに加え、人気占い師というバックボーンがあり、まさにズバっとした予言に説得力があったのです。ですが、かなりの予言を外していました。ネット社会の現代であれば、ネットが大炎上するような外れっぷりでした」(先のテレビ局関係者)

どこまで迫れるか…

 売れっ子になったことで、“有名税”とも言うべきか、「週刊現代」(講談社)でノンフィクションライター溝口敦氏が「魔女の履歴書」と題した、細木さんの半生を追ったルポ内で、売春斡旋や暴力団との深い関係、占いのパクリ疑惑、多額な金銭を要求する霊感商法や恐喝などを指摘。細木さんは巨額の訴訟を起こすも、08年3月でテレビ番組を降板後、裁判所の和解勧告に応じ訴訟を取り下げた。

「他にも数々の批判記事が出始めたことで、精神的にも疲弊してしまい、テレビ番組の降板を決めたのです。撤退の時期としては賢明な判断だったのでは」(同)

 生前、最後のテレビ出演となったのは、亡くなる8年前、13年12日にTBS系で放送された「有田とマツコと男と女 新年から禁断の大バトル!!~細木数子も緊急参戦!~」だった。それから8年後の21年11月8日の早朝、呼吸不全のため、東京都内の自宅で死去。その訃報は2日後に養女で占術家の細木かおりさんから発表された。

 ネトフリ作品では、細木さんがテレビで大ブレイクする04年までの人生を描くことになり、共演者はじめ、戸田の演技にも注目が集まる。

「女優として25年以上活動している戸田さんですが、代表作と言われると、ドラマ&劇場版の『LIAR GAME』シリーズで、なかなか更新できていません。ネトフリ作品では、『極悪女王』に事務所の後輩の唐田えりかさん(28)が主要キャストとして出演。5年前の東出昌大さん(37)との不倫報道のイメージでくすぶっていましたが、同作をきっかけに女優として再浮上を果たしました。戸田さんとしてはインパクトのある役で、自身の代表作を更新したいとの思いもあるのではないでしょうか」(先の記者)

デイリー新潮編集部

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