「認知症の妻の最後の言葉は“大好き”でした」 作家・阿刀田高(90)が初めて明かす介護 「妻を施設に入れたのは、結果的に大成功」

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 家族の介護、自らの老い、そして死に支度……。人生100年時代、長い老後を生き抜くのも楽ではない。ここは人様の生活を垣間見て、少しでもその知恵を参考にしたいところである。直木賞作家の阿刀田高氏が初めて明かした「90歳、男のひとり暮らし」に学ぶ。

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 この人は、もう二度とここに帰ってくることはないのではないか……。そんな感慨を抱いたことを覚えています。

 2023年1月、妻は自宅を離れました。正確には、認知症を患い、車椅子生活となっていた妻をだましてタクシーに乗せ、介護付有料老人ホームに私が連れていったのです。...

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