「一体どうした?三谷幸喜…」 フジの話題作「もしがく」がまさかの低視聴率スタート 「民放連ドラ」25年のブランクは長すぎたか

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25年前に数字は取れなくなっていた

「ひとりぼっちになった菅田が劇場に併設されたぼったくりバーで二階堂ふみに出会いストーリーが進み出すのですが、菅田と二階堂だけでも豪華なのに周囲の配役が濃すぎて話が頭に入ってきませんでした。三谷さんがモデルという放送作家に神木隆之介、神社の巫女に浜辺美波、この2人は23年前期のNHK朝ドラ『らんまん』と、同年公開の映画『ゴジラ-1.0』の主役とヒロインです。さらに、浜辺の父親役の神主には大河『鎌倉殿の13人』で人気になった歌舞伎俳優・坂東彌十郎、小池と同じ踊り子にはアンミカ、劇場の用心棒に市原隼人、ジャズ喫茶のマスターに小林薫と存在感ありすぎの脇役がずらっと並ぶ。加えて、劇場の客引きが井上順、テレビにちょこっと登場する芸人役は堺正章と、グループ・サウンズのザ・スパイダースの名コンビ。その上、冒頭でシェイクスピア作品の名言を語るのは渡辺謙。さらに、主題歌は世界のYOASOBIですからね」

 日曜劇場「VIVANT」(TBS・23年7月期)にも劣らぬ豪華ぶりだ。そんな「もしがく」の初回視聴率は、なぜ5・4%しか取れなかったのか。

「いくら視聴率が上がらない今でも、キャストへの期待とご祝儀で二桁、最低でも7~8%は取りたかったでしょう。でも、民放で最後の連ドラとなった25年前の『合い言葉は勇気』(フジ=役所広司)は初回こそ15・9%でしたが、第6話では7・4%にまで落ちましたからね」

 民放ではすでに、数字が取れなくなっていたということだろうか。

わざとわかりにくくした?

「三谷さんはその後、民放に見切りをつけたわけではないのでしょうが、NHKの大河ドラマに移りました。大河は全50話、連ドラの1クールは全10話程度ですからね。三谷さん自身、『大河の5分の1で、勝算のあるテーマを考えた』と答えていましたから、話数の少ない連ドラを意識したことは間違いないでしょう。ただし、NHKとは違い、視聴率を取ってなんぼの民放GP帯。そのブランクを意識しているのかどうか。視聴者にウケているのか、ついてきてくれているのか、それを振り返ることを怠って、視聴率の1%くらいどうでもいいなんて思っていないか……」

 三谷自身の変化も気になるという。

「彼は22年4月から報道番組『情報7daysニュースキャスター』(TBS)の総合司会になりました。テレビを作る側が出る側に回ると、スタンスが狂うとことがよくあります。相撲取りがバラエティに出るようになって人気者になると、負けが込みだすのと一緒。出る側に回ると実力が発揮できなくなることがあるんです」

 さらに、気になるセリフもあったという。

「菅田が劇団員や二階堂に対して吐いた『笑いなんか必要ない。なんでわかりやすい方向に行きたがるのか!』『芝居はわからなくていいんです。理解しなくていい、感じてくれれば』と言うセリフです。ひょっとして三谷さんの本音かもしれません。あえてわかりにくくしているのかも……」

 まだ初回が放送されたばかりである。今後どう収拾をつけていくのか楽しみだ。

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