「白鵬に厳格な処分を下してきたのとは対照的」 二所ノ関部屋の金銭トラブルに相撲協会が甘すぎる理由
二所ノ関部屋を訪ねると……
初土俵から13場所での横綱昇進という異例のスピード出世を遂げた大の里についても、親方が育て上げたと評する声はほとんど聞こえてこない。
「四股などの基礎を徹底させること以外、特に具体的な指導方法を耳にしません。そもそも、日体大に入学して間もない1年生の時に学生横綱となった大の里は“10年に1人の逸材”と言われたほど若い頃から力士として完成されており、どの部屋に入門しようが、さほど変わらぬ結果を残していたといわれています」(前出の角界関係者)
さて、秋場所の13日目が開催された9月26日夜。借金トラブルについて事実関係をただすべく二所ノ関部屋を訪ねたところ、
「迷惑なので、お引き取りください」
と、インターホン越しに部屋の関係者が言うのみ。
その後、親方に取材を申し込んだが、期限までに返答はなかった。
「白鵬に厳格な処分を下してきたのとは対照的」
一方、相撲協会に聞くと、千秋楽から一夜明けた9月29日、以下の回答があった。
「(不祥事を起こした床山の)Aについては、金銭トラブルを理由に退職いたしました。師匠・二所ノ関についてはAの監督不行届きを理由に、理事長から厳重注意しました」
ここにあるAの退職が、引退勧告などの処分によるものかどうかは不明である。相撲協会の公式HPにも、借金トラブルに関するニュースはなく、床山の一覧からこっそりとAの名前が消されていた。
「新潮さんから取材が来たので、さっさとクビにしたということでしょう。いずれにせよ二所ノ関親方は『厳重注意』だけで済み、降格や報酬減額などの処分は免れた。元横綱・白鵬(40)に厳格な処分を下してきたのとは対照的。協会は相変わらず親方に甘いですね」(相撲協会関係者)
2017年、日本出身者として19年ぶりの横綱となった稀勢の里は、以来、将来の相撲協会を背負って立つことが期待されてきた。
指導者失格なのに、特別扱いとは、相撲協会も何を考えているのやら。
前編【「力士の肛門に酒瓶を突っ込んだのも彼」 二所ノ関部屋の問題児”が10代の後輩から“カツアゲ”同然に金を借りるトラブルが】では、二所ノ関部屋で起きていた金銭トラブルと、発覚後の親方の対応の問題点について報じている。





