大乱調「藤浪晋太郎」が登録抹消で“CS登板”は? 元巨人・前田幸長氏が語る「右バッターに対する精神的不安」の原点は“レジェンド投手”を激怒させた2球

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 DeNAの投手、藤浪晋太郎(31)が苦戦している。9月28日の広島戦では7回に登板し、先頭打者の林晃汰(24)にヒットを浴びた。次の矢野雅哉(26)がバントの構えを見せると太ももに死球。球場が騒然とする中、打席に立った清水叶人(21)への球は暴投となってノーアウト2、3塁となってしまった。

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 それでも清水は空振り三振で討ち取った。だが代打の佐藤啓介(24)には四球。これでノーアウト満塁のピンチを招き、三浦大輔監督(51)が降板を告げた。

 9月30日のヤクルト戦でも7回に登板。先頭の並木秀尊(26)に四球を与え、北村恵吾(24)と西村瑠伊斗(21)に連打を浴びて1失点。さらに内山壮真(23)への球は背中の後ろを抜けるという大暴投で2点目を許してしまった。

 四球、死球、暴投とコントロールに問題を抱えていることがよく分かる。10月1日現在、藤浪は6試合に登板して1勝0敗。防御率は4・09で、与四球が9、与死球が2という投球成績だ。担当記者が言う。

「10月1日はDeNAの最終戦である対ヤクルト戦が行われたのですが、その試合前に藤浪投手の1軍登録抹消が発表されました。DeNAはセ・リーグ2位が確定したので、10月11日から3位の巨人とクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージを戦うため、藤浪投手がCSのマウンドに立つか注目されていました。ちなみに11日に1軍復帰することは可能です。Xを見ると『藤浪投手はCSでは投げない可能性が高い』と認識したファンもいれば、『DeNAの投手陣は台所事情が苦しい。2軍で調整し、11日に1軍に上がる可能性は残っている』と期待を寄せるファンもいることが分かります。また中日スポーツは10月4日、CSで藤浪投手はブルペン起用されると報じました」

右バッターとの対戦が原因

 野球解説者の前田幸長氏はロッテ、中日、巨人の3球団で投手として活躍。先発、中継ぎ、クローザーの全てを経験した。

 前田氏は藤浪がマウンド上で悪戦苦闘している理由について、「右バッターと対戦することが重い精神的負担となってのしかかり、ピッチングが乱れていると考えられます」と指摘する。

「大前提として藤浪投手はフォームに大きな問題を抱えています。極端な言い方をすれば、藤浪投手はキャッチャーに向かって投げるというより、右のバッターボックスに向かって投げるようなフォームなのです。結果、これまでにも右バッターに危険な球を投げてきました。ところがアメリカから帰国して初登板となった8月17日と、2戦目となった8月31日の中日戦で、中日は死球リスクを考慮してバッターを左打ちで揃えたのです。これは藤浪投手にとって精神的に楽だったことは間違いないでしょう。実際、2試合とも無失点で抑えたほか、31日の試合は勝利投手にも輝きました」

 9月7日のヤクルト戦では帰国後初となる先発投手として起用されたが、対戦相手は右打者を6人並べてきた。すると2回に右打ちのホセ・オスナ(32)にホームランを浴び、7回は右打ちの北村恵吾(24)が2塁打。さらに右打ちの中村悠平(35)には顔面付近に危険な球を投げてしまう。

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