若隆景の化粧まわしに「うつみ宮土理」の顔が! 「相撲のことはよく分からない」のに推す理由を本人が明かす
大相撲秋場所の初日、9月14日の東京・両国国技館で突如沸き起こったのは“ケロンパ~!”の喝采。関脇・若隆景(30)の化粧まわしに、この10月で83歳となる“ケロンパ”うつみ宮土理のイラストがデザインされていたのだ。
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若隆景との“なれそめ”
「すごく評判が良くてね。私が国技館を訪れたときも、みなさんから“見たことがないユニークで素敵な化粧まわしね”とお褒めの言葉をいただきました」
そう相好を崩すのは、うつみご本人である。
化粧まわしを贈られた若隆景は、大関昇進が注目されている力士。目のつけどころからして、かなりの相撲通とお見受けするが、
「これまで国技館に行ったのは2~3回くらい。相撲のことはよく分からないんですよ」
では、若隆景との“なれそめ”は?
「私は毎朝、近所の公園でラジオ体操をやっているんです。そのラジオ体操仲間の中に、若隆景さんと親しい方がいて、今年に入ってからお会いする機会に恵まれました。会ってみると明るい方でね。笑顔がかわいいし、お弟子さんにも優しい。人間的に素晴らしい方だなと感銘を受けました」
土俵でのたたずまいにも魅了されたそう。
「立ち合いのときの鋭い眼光がいいですよね。体つきも均整がとれて、ギュッと引き締まっている。しかもイケメンじゃないですか」
こうなると、もう止まらない。彼女はかつて、韓流ドラマに夢中になったあまり、すべての仕事を辞めて韓国に語学留学した“実績”がある。妥協を知らぬ“推し活”魂は、彼女を思い切った行動に駆り立てた。
「初めて好きになった力士ですからね。“ファンです!”という気持ちをお伝えするには、お菓子などを差し入れするよりも、安くはありませんが、化粧まわししかないと思ったんです」
1億円超えの化粧まわしも
化粧まわしを贈呈するといっても、大抵の人にはピンとこないだろう。いかにして贈るのが通例なのか。相撲担当記者が解説する。
「直接、力士か師匠に贈りたい旨を打診します。よほどのことがなければ力士側は“ごっつぁんです”とありがたく受け入れます」
意外に単純だ。気になる相場については、
「刺繍(ししゅう)が手縫いか機械か、デザインは新たに作るか、すでにデータ化されているかなど、作り方や素材によって大きく変わる。安いもので100万円、ここ10年ほどでもっとも高いのは元横綱・白鵬の3本一組の化粧まわしで、1本1000万円だといわれています」(同)
過去には、ダイヤモンドを埋め込んだ1億円超えの品もあったという。いずれにしろ、素人が気軽に手を出せる代物ではない。
さて、うつみはさっそく専門の業者に発注した。
「化粧まわし屋さんも感じの良い方で。“うつみさんの注文で化粧まわしを作れるなんて本当にうれしいですよ”と喜んでくださって、私も感動しました」
一度見たら忘れられないデザインについては、
「いくつかの色の候補の中から若草色に決めました。後で聞くと、あまりない色みたいですね。“ケロンパのイラストを入れたい”と提案したら制作担当者さんも“いいアイデアですね”と。“もう少しこの部分を大きく”とか“これだと顔が縦長になってしまう”とか、入念に話し合いをしました」
発注から3カ月。出来上がったのが、右側に〈うつみ宮土理〉、左側に〈若隆景〉、そして下方に〈キンケロ・シアター〉の文字をあしらった、すべて手刺繍の化粧まわしだった。重さ10キロの完成品は、業者から若隆景に直接送られた。
「完成して一番うれしかったのは私自身かもしれません。100%満足しています。初日は、楽しくテレビで相撲中継を観ていました。彼が勝つか負けるか、取組のたびにハラハラさせられています」
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