なぜ?野村宏伸がトンテキを焼いている…還暦で厨房に立つ日々 「飲食店の難しさ」と「人とつながる喜び」を語る

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つくば市から“強火”男性が

 実はこの日も、客席には茨城県つくば市から来たという50代のファン男性の姿があった。来店頻度は週1回。ファン歴40年(!)だというから、相当な“強火(熱量が激しいファンのこと)”っぷりだ。

 ランチ営業が終わった頃合いを見計らって、持参した若き野村の出演作『メイン・テーマ』や『キャバレー』のお宝レコードに直筆サインを入れてもらっていた。おそるおそる話かけてみると……。

「今日は夜勤明けで駆け付けました。毎回、野村さんの出勤を電話確認してから、つくばを出るようにしています。野村さんは男性としてカッコいい。デビュー当時、ヘアカタログに載った野村さんの髪形は、男子みんなが憧れてマネしていましたよ」(ファン男性)

 つくば市の自宅の“祭壇”に飾ったお宝グッズを手に「ひさご」を訪れては、少しずつ野村にサインを入れてもらっているそう。

「(サインは)一度には入れてもらわないです、何度でもお会いしたいので。あと、毎回ボクの名前も入れて書いていただいているので、名前を覚えてもらえたんです(笑)」(同前)

 推しに自分を認知してもらう、ましてや料理を作ってもらうなど、推し活の頂点、あり得ない幸せ。本当に「有難い」ことだ。野村自身にもファンの喜びは直に伝わっているだろう。

「それはやっぱり楽しいし、うれしいですよ。でも、それだけだと(経営が)続かない。特にこのあたりのランチは1,000円以下の価格で出しているお店も多いので、ライバルが多いんです。とはいえ、グラシアさんが1,800円でトンテキを出されているから、それより安くするわけにはいかないし……。それに、“安くてうまい行列のできる店”にするつもりもなくて。やっぱり、来てくれた方とコミュニケーションを取りたいしね。“ちょっと高いけど、食べに行く価値がある店”だと思ってもらえるように、今後も頑張ります」

“野村デー”に会いに来て

 店の厨房に立つようになって、8か月が過ぎた。

「早かったですね。最初のころはよく失敗もしました。豚肉だから、肉にしっかり火が通ることは必須なのに、焼き方が甘かったり、逆に焦がしてしまったりね。あと、天候によってお客さんの入りも違うのが読めないし、オーダーが一気に入った時には、頭が真っ白になることもある。飲食の難しさは、もうだいぶしっかり感じていますよ」

 夜は22時に就寝。朝6時に起き、9時過ぎにはお店で仕込みを始めているという。俳優、アーティスト、そして“トンテキ”の三足のわらじ生活は、さぞ大変なのでは?

「うーん。大変だけど、やっぱり楽しいですよ。もう60歳になったというのもあるかも。僕の両親が亡くなったのは80歳くらい。僕もそうだと考えると、残りはあと20年くらい。きっとあっという間だと思うから、後悔しないように“何でもやりたいことをやる”。躊躇はせずに、何でもトライする。それでいいんじゃないかな?」

 10月からは第1、2、4土曜日を“野村デー”として、夜の営業でも店に立つことを考えているという。

「夜にもトンテキを食べたいって言ってくださる方もいるし、あの甘辛ソースで“トンテキ焼きそば”を作ろうとも思っている。やっぱり、僕も飲んだり、人と話すのが好きだからね。日本酒も“この銘柄をこの価格で出していいの?”ってツッコミが入りまくっているけど、そこはあんまり気にしていない(笑)。やっぱり、お客さんが喜んでくれたら嬉しいから。お酒が好きな方は、ぜひ足を運んでみてください!」

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■野村宏伸に会える店……
家庭料理 ひさご(東京都新宿区高田馬場3-5-6 2F) 【営業時間】11:30~14:00(L.O.13:30)、17:00~23:00 【電話】050-5595-8624 【休】日祝 【アクセス】高田馬場駅徒歩3分
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■歌手・野村宏伸に会えるイベント……
音楽祭『生きてこそ命』 10月18日(土)13時~ 川越西文化会館(埼玉県川越市鯨井1556) 【アクセス】東武東上線・霞ヶ関 【出演】野村宏伸、hutava、AiM、ものまねFM、昭和の旅人、こすげといづみ、溝呂木乃梨 【チケット】5,200円 【問】0120-1192-71

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