「村上宗隆(25)」はメジャーでも本塁打を量産できるか? 元NPB強打者が明かす大活躍の条件は「大谷翔平」と「佐藤輝明」の共通点
第1回【「史上最年少250号」も視野に! 村上宗隆(25)の移籍先はどのメジャー球団か? 「メッツが本命」と語る専門家の「大穴」予想は】からの続き。大谷翔平とまでは言わないが、MLBに移籍した村上宗隆は鈴木誠也と張り合うぐらいの活躍をしてほしい──こんな願いを持っているプロ野球ファンは多いのではないだろうか(全2回の第2回)
***
【写真を見る】村上宗隆と顔がそっくり! 九州学院から日大へと進んだ弟・慶太さん
ヤクルトの内野手、村上宗隆はポスティングシステムを利用してMLBに挑戦する意向を表明している。
今季はケガに泣かされたが、それでも9月30日現在、52試合に出場してホームランは21本。打率は2割6分4厘、長打率は6割5分2厘、出塁率は3割7分0厘と素晴らしい成績を残している。
カブスの鈴木誠也は今季のレギュラーシーズンでホームラン32本、打率2割4分5厘、出塁率3割2分6厘。大谷の陰に隠れてしまったが、立派な数字であることは言うまでもない。鈴木に似た成績が村上にも期待されそうだ。
ところがXなどでは「村上はMLBで通用しない」という意見も少なくない。DeNAの筒香嘉智はMLBで最後まで苦しんだことも記憶に新しい。
1985年から1994年までヤクルトでプレーし、4番バッターとして2回の打点王に輝いた広澤克己氏は「傑出した強打者ですからMLBの投手に完全に抑え込まれ、手も足も出ないということはないでしょう」と言う。
「その代わり、ホームラン30本の大活躍ということもなかった、というシーズンになる可能性も考えられます。ホームラン10本台の中途半端な成績となり、ファンとしてはモヤモヤが残るという結果に終わっても不思議ではありません。実は私には懸念していることがあり、それは村上選手のフォームが最近、スタンスが許容範囲を超えて広くなっていることです」
スタンスの許容範囲
ホームランを打つには回転が必要だ。フィギュアスケーターを見れば、体を回転させるには両足を閉じるのが最も合理的だと分かる。
ただし野球の場合、両足を閉じるとボールが打てなくなってしまう。そこで「許容範囲を超えて開かない」ということが重要になってくる。
「MLBなら大谷選手、NPBなら阪神の佐藤輝明選手のスタンスを、機会があったらよく見てください。2人とも広くないことに気づくはずです。歴代のホームランバッターもスタンスは広くありません。王貞治さんは一本足打法で右足を高く上げますが、着地時のスタンスは意外なほど狭いのです。ランディ・バースさんもスタンスは広くありません。スタンスが広くても外角の球なら対処できます。実際、村上選手は外角の甘い球は見逃さずにホームランを打ってきました。ところがスタンスが許容範囲を超えてしまうと、内角の球を苦にするようになります。しかもMLBの投手は大胆に内角を攻めてきます。その場合、右投手ならカットボール、左投手ならツーシームに手を焼く可能性が出てくるのです」(同・広澤氏)
広澤氏によると、そもそもバッターはスタンスが広くなる傾向があるという。足の幅に注意を払い、許容範囲を超えない距離を守るのは意外に難しいのだ。
[1/2ページ]


