小泉氏に「出馬回避」を依頼した長老と拒否した有力者の名
同じ釜の飯を食った間柄
古賀氏といえば、かつて宮崎県知事だった東国原英夫氏に衆院選への出馬要請を行い、逆に「次の総裁候補にしてくれるなら」という条件を突き付けられ、話題になった人物だ。“運輸族のドン”として未だ国交省や関連業界には隠然とした力を行使している。最近も、長男が経営するコンサル会社が、羽田空港のターミナルビルを運営する日本空港ビルデングの子会社から空港内のマッサージチェア事業をめぐり、数億円単位の利益供与を受けていたことが発覚し、その影響力が永田町雀の口の端に上ったばかりだ。
菅氏はもともと政治の師と仰ぐ梶山静六元官房長官の所属する平成研究会(最終的には茂木派)にいたが、派閥を退会後に宏池会に所属していた時期がある。つまり、古賀氏と菅氏とは同じ釜の飯を食った間柄だった時期があるわけだ。
“あり得ない”
「古賀氏は旧・宏池会の面々への影響力を保持しているとされています。解散したとはいえ、彼らは今回の総裁選でそれなりのまとまりをもって動いている。古賀氏としては、林氏を総裁に就けることで影響力をキープすることができるとの考えがあるのでしょう。一方の林氏としては、小泉氏がトップに立ち、世代交代が進むことへの危機感が強くある。双方にとって最善のシナリオは、小泉氏が出馬回避すること、と思惑が一致しての要請だったと理解されています」(同)
言うまでもなく、これらはいずれも古賀氏、林氏の都合でしかない。また「同じ釜の飯を食った」程度の関係性では無理を言えるはずもない。菅氏の返事は古賀氏にとって色よいものではなかったようだ。
「菅氏は古賀氏の提案を断りました。“あり得ない”と一蹴したと言う人もいるほどです。伝わってくる話の中で、出馬回避のメリットが小泉氏にも菅氏にも見当たりませんからね」(同)
目下、猛追が伝えられているとはいえ、林氏の当選の目は薄いという見方が強い。林氏が今後も総裁候補でいられるかどうかは、「議員票で2位以上」を獲得できるか否かがポイントになるという。むろんそんなことはおそらく国民生活とは関係ない話なのだが―ー。







