連覇に挑むドジャース“最大の弱点”はロバーツ監督の采配力 「“レジェンド”カーショーを登録外」「特定の選手に固執する」
2025年メジャーリーグはレギュラーシーズンの全日程を終了。ア・ナ両リーグからポストシーズンに出場する合計12チームが出そろった。
最高勝率は、ナ・リーグが97勝65敗のブルワーズ、ア・リーグは94勝68敗のブルージェイズで、どちらも開幕前の下馬評を覆し、第1シードを獲得。第2シードのフィリーズとマリナーズとともに、この4チームはワイルドカードシリーズ(以下、WCS)を免除され、地区シリーズから登場する。
一方で、開幕8連勝を飾った際は、シーズン最多116勝の記録更新も期待されたドジャースは、最終的に93勝69敗でシーズンを終了。ナ・リーグの第3シードとして、第6シードのレッズとWCSを戦うことが決まった。
【八木遊/スポーツライター】
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大谷は1本差でHRキング逃す
ドジャースがレギュラーシーズンを5連勝という最高の形で締めくくり、日本時間1日に始まるレッズとのWCSに臨む。チーム最終戦となった29日、前日の試合でスタメンを外れていた大谷翔平は、1番指名打者で先発すると、7回表の第4打席にセンター方向へ今季55号を放ち、チームの勝利に貢献した。
大谷はこの一発で56本塁打のカイル・シュワーバーに1本差と迫ったが、9回に訪れたレギュラーシーズン最終打席は空振り三振。結局、1本差で3年連続本塁打王のタイトルを逃した。
これを受けてSNSなどで沸き上がったのが、前日に大谷を休ませたデーブ・ロバーツ監督に対する不満の声だ。
「昨日の試合に出ていれば、ホームラン王が取れた可能性も十分あったはず。たった1本差で3年連続ホームラン王という偉業を潰したロバーツの采配はおかしすぎる」、「大谷は1本差でホームランのタイトルを逃した。ロバーツはなぜ昨日大谷を休ませたのか。完全にロバーツの采配ミス。1試合休ませたところで何も変わらないだろ」など、大谷に休養を与えたロバーツ監督の起用に疑問を呈する声が上がった。
“早すぎる”継投策にたびたび批判の声
もっとも、この休養については、大谷自身がそれほど本塁打王にこだわっておらず、自身の個人タイトルよりチームのポストシーズンでの勝利を優先させたため、との指摘も上がっているが、いずれにせよ、そんな指揮官に対する批判の声は以前から小さくない。ドジャースの指揮官に就任した2016年から今年が節目の10年目だったロバーツ監督。地区優勝はこれが9度目で、唯一のV逸となった2021年も106勝を挙げてジャイアンツと1ゲーム差の2位だった。レギュラーシーズンの通算勝率.621はもちろん現役監督の中では断トツで、歴代でもランキング上位に入るいわば“名将”である。
しかし、これまで2度のワールドシリーズ制覇を経験しているものの、ポストシーズンの通算勝率は.560とレギュラーシーズンのそれに比べるとかなり低い。ジョー・トーリや、ブルース・ボウチーといった名将と言われる監督がいずれもポストシーズンでより高い勝率を上げているのとは対照的だ。とりわけ疑問視され続けてきたのが、“早すぎる”継投策だった。
ロバーツ監督のそんな“悪癖”は今季のレギュラーシーズンでもたびたび見られた。今季は開幕から先発ローテ6人制を敷いたにもかかわらず、救援陣に負担をかけすぎた面が否めない。
実際、メジャーでは先発投手の降板は100球がメドとされるが、今季のドジャースは先発投手を80球未満で降板させた試合が非常に多く、55試合に上った。これはメジャー全体でもロッキーズとパイレーツに次いで3番目の多さで、その結果、先発投手の1試合平均投球数もリーグ最少レベルだった。
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