鉄道会社の「女性乗務員」を無断で撮影する“撮り鉄”も…“盗撮”画像を共有するコレクターの存在まで指摘され

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写真とお菓子をくれるおじさん

――その一方で、撮影の許可を求めてくる人もいるのか。

A:うちのエリアは田舎なので、発車まで時間があったりする時に「撮らせて」と声を掛けられることがたびたびあります。私もかつて、おじさんが一声かけてきたので、渋々撮らせたことがありました。すると後日、後輩経由でそのおじさんから写真とお菓子が届いたことがありました。

 後輩曰く、おじさんから「本人に渡してほしい」と言われ、託されたのだと。おじさん的には親切心があったのかもしれませんが、今考えればめちゃくちゃなモラルですよね。

――撮影されやすい女性社員の特徴はあるのか。

A:やはり……、ビジュアル的に映える人だと思います。また、駅員の制服に興味をもつ層もいるようです。例えば、東京オリンピックを機に制服で男女の帽子の区別がなくなり、希望した形の帽子を配られるようになったときのことです。その際に官帽を選んだ女性乗務員は、めちゃくちゃ撮られていましたね。

 自分も顎紐が出しやすいという理由で官帽を選んでいたので、制服が変わった頃はよく撮られていました。カメラを構えている人がいて、「あ~、こいつ撮っているなあ」というのはわかっていましたが、そのときは慌ただしく、もはや注意するのがめんどくさいので、無視しましたが。

嫌がる女性社員を撮影しないでほしい

――今後、乗務員や駅員の盗撮に対する議論が巻き起こりそうだ。

A:一概に、マニアだからダメとはこちらとしても言えませんし、お子さまなどには快く撮影に応じたい乗務員もいますから、線引きが難しいですよね。ただ、強く訴えたいのは、乗務員や駅員の“無断撮影”はやめてほしいということです。嫌がる人には撮影を強制しないようになって欲しいです。

 私たちも立場上、本音は嫌でもなかなか強く言えないこともあります。写真を撮られて、心の底から喜んでいる人は少数派であると思っていただきたい。ましてや、断られたり注意されたからといって、暴言を吐いたり、恫喝するなどの行為は慎んでほしいと思います。

――これは御社だけで起こっている問題なのか。

A:他の鉄道会社の乗務員や、航空会社のCAはどうなっているか、私も興味があります。聞いてみていただいた方が良いかもしれません。おそらく、鉄道会社では同じように苦労している方が絶対にいると思っています。

 駅での盗撮というと、スカートの中を撮影するなどのイメージを思い起こす人が多いかもしれません。しかし、女性乗務員や駅員を無断撮影する人もいること。そして、お客様の姿を撮影している人もいるということ。こういった行為が相次げば、写真撮影に規制がかかる可能性がありますし、写真を趣味とする人全体のイメージ悪化は避けられないと考えています。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部

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