【自民党総裁選】株式市場が歓迎するのはどっち? 注目すべき「高市銘柄」と「小泉銘柄」を専門家が解説

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「高市さんの方が分かりやすい」

 小泉進次郎か高市早苗なのか。10月4日に行われる自民党総裁選の焦点が二人に絞られてきた。株式市場も、勝敗の行方をにらみながら動いているように見えるが、さっそく物色が始まっているのが、関連銘柄だ。

「政治銘柄を探すという意味では、高市さんの方が分かりやすい」

 とは、ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏。

「彼女が総裁選で勝てば、やるのは安倍晋三元首相の路線を引き継ぐことです。市場は歓迎するでしょう。そのことは、昨年の総裁選で証明されている。9月27日の投開票の1回目で、高市さんがトップに立つと株式市場は900円以上急騰しました。ところが、決選投票で石破茂さんが逆転したのはご存じの通り。この時点で株式市場は閉まっており、夜間取引では2000円超急落してしまった。高市さんが期待されていたのは明らかです」

 ならばと、「高市銘柄」を予想してもらう。

「安倍路線を引き継ぐのであれば、注目されそうなのが防衛関連銘柄です。三菱重工、IHIや川崎重工はもちろん、NECや富士通も含まれる。シブいところでは、防衛装備品を作っている東京計器という会社もあります」(同)

 さらには原発再稼働に関連する銘柄も。

「東電をはじめとする電力株はもちろん、防衛関連でもある三菱重工。原子力向け鋳鍛鋼で世界大手の日本製鋼所という銘柄も注目しておくべきです」(同)

小泉銘柄は「結構難しい」

 一方、「小泉銘柄」はというと、

「これが結構難しい。最近も神奈川県の百貨店『さいか屋』の株が期待先行で爆上がりしましたが、地元というだけの理由です。環境大臣をやった時にスーパーのレジ袋を有料化したことから環境関連銘柄を挙げる専門家もいますが、環境銘柄は幅が広過ぎる。総裁に選ばれたら、どんな政策を表明するか、最初の一言に注視しています」(深野氏)

 テラ・ネクサスCEOの田代秀敏氏によると、

「進次郎氏が掲げそうな政策といえば、父・小泉純一郎元首相が進めた規制緩和でしょう。農協改革、地方金融機関の統廃合、外国人の雇用規制の緩和などです。また、父の下で大臣を務めた竹中平蔵氏は、いまも小泉ファミリーと近い。彼が会長を務めたパソナグループの動向には私も注目しています」

 証券界には、「うわさで買って事実で売る」という格言がある。思惑が飛び交っている時が、一番値上がりするという意味だ。総裁選が終わったとたん、大暴落もあるのが「株」ということもお忘れなきよう。

週刊新潮 2025年9月25日号掲載

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