最愛の夫の「死」とどう向き合ったのか 倉田真由美、LINEや電話番号は生かしたまま…今も音楽は「泣かずに聞けない」
毎日泣いていた
夫で映画プロデューサーだった叶井俊太郎さん(享年56)をがんで失った漫画家の倉田真由美さん(54)。家での最期の生活や看取りの瞬間をつづったのが、最新刊『夫が「家で死ぬ」と決めた日 すい臓がんで「余命6か月」の夫を自宅で看取るまで』(小学館)だ。叶井さんが亡くなってから1年半が過ぎ、倉田さんは最愛の夫の死とどのように向き合ってきたのか。(全5回の第5回)
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夫を亡くした直後は、本当に毎日毎日泣いていました。辛い経験ではありますが、何度も言葉にし、何度も思い出すことで、それに対する「耐性がついてきた」という感じですね。
最近は泣かない夜もあります。悲しみに関しては、「時間」が解決してくれると実感しています。だんだん過去になっていく寂しさはありますが、何度も何度も同じ悲しみをなぞっていると、悲しいことにも慣れてくるんですよね。
ただ、音楽だけは今でも泣かずには聞けません。多くの曲が夫のことを歌っているように聞こえてしまい、しんどい時があります。夫に引き戻されるような感覚ですね。そこは変わっていない部分ですね。
夫の誕生日は、特別何かをするわけではありません。生きていたら何歳だな、くらいに思う程度です。ただ、最後の誕生日は病院にいたので、家でケーキを食べられなかったことへの悔いはあります。
夫のLINEは今も残していて、たまにメッセージを送ることもありますし、電話番号も生かしたままにしています。
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