中田翔が18年間の現役生活に幕 “現役最晩年”を中日で終えたスター選手列伝

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27年も現役生活ができたのは誇り

 一方、出戻りの形で現役生活を中日で終えたのが、山崎武司である。中日入団10年目の1996年に初の本塁打王(39本)を獲得。その後、オリックスを経て、楽天時代の2007年にも38歳で2度目の本塁打王(43本)となり、NPB史上3人目の両リーグ本塁打王に輝いた。

 打率.229、11本塁打に終わった2011年オフ、星野仙一監督から引退勧告を受けた山崎は、あくまで現役続行を望み、「給料なんて1円も要らないから、1年間面倒を見てください」と頼み込み、古巣・中日に復帰。43歳という年齢ながらも、「オヤジ記録をどんどん抜いていきたい」と本塁打量産を誓った。

 翌12年は開幕戦に4番・ファーストでスタメン出場。4打数2安打と好スタートを切った。だが、インフルエンザにかかり、4月下旬に登録抹消。復帰後もなかなか調子が上がらず、打率.209、1本塁打、13打点に終わった。

 そして、選手生命をかけて臨んだ13年、2度目の2軍落ちが決まると、引退を決意。10月5日のDeNA戦の2打席目に三浦大輔からセンター前に通算1834本目の安打を放ち、「27年も現役生活ができたのは誇り」と納得してバットを置いた。

 福留孝介もMLB、阪神を経て、現役最後の2年間は、古巣・中日でプレーしている。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新著作は『死闘!激突!東都大学野球』(ビジネス社)。

デイリー新潮編集部

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