コンビニで外国人の店員から「フクロ?」と聞かれてもムッとしないで…日本人は“時給に見合わない接客”を求めすぎではないか
都会のコンビニでは多くの外国人店員が働いている。筆者にはこれが、殊の外気持ちいいのである。というのも、日本人とは違って“丁寧ではない対応”をされることが時々あるからだ。私は毎年タイとラオスに行くが、基本的にコンビニや売店の店員と客の関係は「商品をスキャンしてもらい、示された金額を支払うだけ」である。そこには「人間同士の心のふれあい」や「おもてなしの精神」なんてものは最初から存在しない。
それが商品の値段と時給の安い店の従業員に求められるサービスのレベルのあるべき姿だ。客の側は店員に対して、時給以上のサービスを求めるべきではないのだ。マクドナルドの「スマイル0円」なんてものは、過剰サービスであり、従業員にとっては負担である。【中川淳一郎/ネットニュース編集者】
【写真をみる】陳列された商品は似ているけど…「商品をスキャンしてもらい、金額を払うだけ」のバンコクのコンビニの様子
いらんよ
本稿執筆時点で私は東京・六本木に借りている家にいるが、近くのコンビニ店員は非常に訓練されており、外国人でも日本語が堪能かつ、対応も丁寧な人が多い。その中の一人に、中央アジア系のヒゲ面の男性がいるのだが、この男性の接客が私は好きだ。
まず、一切目を合わせずいきなり「フクロ?」と言う。日本人だったら「レジ袋はいりますか?」と言うところだろう。このぶっきらぼうに「フクロ?」と言われた時に、私は「これでいいんだよ!」と思った。そしてこちらの返答は「いらんよ」だった。相手の敬語レベルに合わせて「いらんよ」で済ませたのだが、普段の「あぁ、いらないですぅ~」みたいなヘーコラした返事ではなくて会計終了後、妙に清々しい気持ちになった。
日本のスーパーやコンビニではレジの店員が「お箸はご入り用ですか?」と割りばしごときに対しても丁寧過ぎる質問をしてきてくれる。本来「お箸1膳ください」と客が言えばいいだけである。
もちろん、一人3万円の店で「何飲む?」と店員から言われたら若干微妙な気持ちを抱くだろう。ここでは「ドリンクメニューはこちらになります」が気持ちいい対応だ。となれば、こちらも「ハートランドをいただけますか?」などと言う。
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