主演ドラマはヒット連発なのに…「阿部寛」の主演映画がなかなか当たらない理由
ドラマと映画では差が
00年以降の阿部の主なドラマ主演作と平均世帯視聴率は以下の通りなのだが、各テレビ局にとって「功労者」であることは間違いない。
「アットホーム・ダッド」(カンテレ・フジテレビ系、04年) 全12話、16.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)
「ドラゴン桜(第1シリーズ)」(TBS、05年) 全11話、16.4%
「結婚できない男」(カンテレ・フジ、06年) 全12話、16.9%
「新参者」(TBS、10年) 全10話、15.2%
「下町ロケット(第1シリーズ)」(TBS、15年) 全10話、18.5%
「下町ロケット(第2シリーズ)」(TBS、18年) 全11話、13.6%
「ドラゴン桜(第2シリーズ)」(TBS、21年) 全10話、14.8%
「DCU~手錠を持ったダイバー~」(TBS、22年) 全9話、14.4%
「キャスター」(TBS、25年) 全10話、11.0%
「アットホーム~」では専業主夫、「結婚できない」では優柔不断な独身男、「ドラゴン~」では元暴走族で東大卒の弁護士、「新参者」では刑事、「下町」ではロケット打ち上げの夢を抱き続ける中小企業の社長、「DCU」では海上保安庁の職員、「キャスター」では忖度しないジャーナリストなど、実に多岐にわたる役を演じているが、同じシリーズを長々と続けることはしていない。
「それは、阿部さんのこだわりによるもののようですが、デビュー以来、阿部さんが屋台骨を支えている小規模の事務所でやって来ました。仕事選びは阿部さんの意見が通ったので、自分が気に入った台本の仕事を選び、その役をノビノビと演じることができていたのです」(TBS関係者)
その一方、続々と主演作が公開されるようになった2010年以降の主な主演映画の興収は以下の通り。「テルマエ・ロマエ」シリーズ以外は、確かにここ10年以上、ヒット作に恵まれていない印象だ。
「麒麟の翼~劇場版・新参者~」(12年) 16.8億円
「テルマエ・ロマエ」(12年) 59.8億円
「カラスの親指」(12年) 2.8億円
「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」(13年) 1億円
「テルマエ・ロマエ II」(14年) 44.2億円
「海よりもまだ深く」(16年) 7.2億円
「疾風ロンド」(16年) 4.5億円
「恋妻家宮本」(17年) 6億円
「のみとり侍」(18年) 6.3億円
「とんび」(22年) 4.5億円
「異動辞令は音楽隊!」(22年) 4.7億円
「ヤマザキマリさんの人気コミックを実写化した『テルマエ・ロマエ』で阿部さんが演じたのは、現代日本にタイムスリップし、日本の風呂文化にカルチャーショックを覚えることになる、古代ローマ人の浴場設計技師・ルシウス役。もともと、顔が濃いので古代ローマ人役がハマり役となってしまいました。『麒麟の翼』はヒットした主演ドラマ『新参者』の劇場版だったので、ある程度のヒットは見込めました。近年の作品だと、『恋妻家宮本』では天海祐希さん(58)と離婚問題を抱えた夫婦役を演じましたが、2人とも生活感がないのでリアリティーに欠けると指摘されました」(先の映画業界関係者)
「異動辞令」は、ベテラン刑事が警察音楽隊に異動させられ、最初はまったくヤル気がなかったものの、ほかの隊員と触れ合い音楽隊自体を立て直すストーリーが描かれた良作で、評価も高かった。しかし、興収には結びつかなかった。
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