噂のオチは常に「当せん者は島から出て行った」…ジャンボ宝くじ「1等前後賞6億円」が“バラ”で出た「種子島」の顛末
「参拝と改装のご利益」が出た!?
ただし、バラで販売された以上、1等と前後賞が別々に3人の客に引き取られた可能性も高い。1億円以上の高額当せん者は年間約500人しか出ないと言われている。島の人口は約3万人。4年前の当せん者も含め、“億万長者ラッシュの島”と言っても過言ではなかろう。
「2年前、販売員数人が種子島にある宝満神社に高額当せん者が出るように祈願に行っているんです。昨年2月には緑色だった店舗を黄色に塗り替えました。風水なんかでも黄色は金を呼び込むと言われていますから、願をかけて改装したのですが、参拝と改装のご利益が出たのかもしれません」
とは売場経営会社の社員。現在、きちんとした看板を製作中で、今月下旬に完成するという。ちなみに、宝満神社の宮司さんによると、
「当社ではタマヨリヒメを祀っています。社名は、子宝に恵まれたタマヨリヒメの逸話に由来しており、家内安全や商売繁盛にもご利益があると言われています。宝くじ? 商売繁盛の効果があったのかもしれませんね。私自身は、宝くじは5万円しか当たったことがないんですが」
当せん者は4年前もわからずじまい
それにしても気になるのは、“誰が当せんしたか”だ。もちろん島外の人間も購入しうるわけだが、宇宙センターの観光に訪れたような客が、わざわざかの地で宝くじを買うとは考えにくい。
「4年前もいろいろな噂が流れましたね。島の女子高生らしい、いや土木作業員と聞いた、いやいや南種子町の主婦じゃないかとか。どこどこの会社が急に事業を拡大したから当たったんじゃないか、とかね。皆、噂好きだから」
とは、50代の女性島民。
「でも、結局のところはわからずじまい。ただ、どの噂にも共通しているのが、“最後は島から出て行ってしまった”という点。島が嫌いなのではなく、閉鎖的な空間ですから、大金を手にした時の周囲からの視線や軋轢が容易に想像できてしまうからでしょう」
実際、某男性島民はこんな昔話を披露する。
「もう10年以上前になりますが、私の知人が鹿児島市内の天文館チャンスセンターで買った宝くじで1億円を当てました。50歳くらいの会社員で、奥さんと中学生の男の子と種子島で暮らしていましたが、当せん後しばらくして突然、種子島から出て行ってしまいました。
なんでも、当せんしたことを親族に言ったことで、親戚や知人からお金を貸してほしいとせがまれたり、貸さないと責められたりしたそうです。買い物をしていても当せんしたことを知る他の客のヒソヒソ話が気になったり、と家族も参ってしまった。そういう事情が重なったこともあって島では暮らしていけなくなり、引っ越したということです」
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