噂のオチは常に「当せん者は島から出て行った」…ジャンボ宝くじ「1等前後賞6億円」が“バラ”で出た「種子島」の顛末

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さすが“鉄砲伝来”の島

 旧石器時代の遺跡から鉄砲伝来、最新鋭の宇宙センターまで、日本の歴史上で絶大な存在感を放つ島といえば種子島。11年前の8月、鹿児島の東に浮かぶこの島が“パワーアイランド”でもあったことが判明した。その年の「サマージャンボ宝くじ」で、1等前後賞合わせて6億円がなんと“バラ”で出たのだ。

「さすが“鉄砲伝来”の島! 的中率はダテじゃなかった」とは、当時の「週刊新潮」。島民だけが宝くじを購入したとは限らないが、当時の人口約3万人に対し高額当せん3本なら、1万人に1人の確率である。しかも、2010年にも年末ジャンボで2等1億円が出ていたというから驚きだ。

 もともと鹿児島は九州で高額当せんの多い県上位である。2013年から2025年7月までのデータを集計すると、断トツ首位の福岡に続き、熊本と並んで2位。中でも好成績の売場はかの有名な「天文館チャンスセンター」(鹿児島)だ。19日から始まったハロウィンジャンボ目当てで、10月の連休は鹿児島市と種子島を巡る旅も悪くないだろう。

 ただし、種子島の売場で当せんした際はちょっとした騒動が発生するかもしれない。島という立地条件によるものだが、見方を変えれば高額当せんで起こる出来事の縮図だ。日本全国の宝くじにまつわる騒動に注目する「宝くじ異聞」。今回は11年前の種子島を振り返る。

(以下、「週刊新潮」2014年8月28日号掲載「種子島『サマージャンボ』大騒動」を再編集しました。文中の年齢・役職・宝くじ販売店舗数等は掲載当時のものです)

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1等前後賞がバラで集まる確率は?

「抽せんから2日後の7日、鹿児島市の事務所から“そちらで計6億円の当せん者が出た”と報告がきて、その日のうちに画用紙で簡単なポスターを作りました」

 と語るのは、事実上、島内唯一と言える宝くじ売場の販売員。

「これだけの金額が、しかもバラで出ていますから、関心が高まっているんだと思います。今はレインボーくじというくじを扱っているのですが、それも今日の15時頃に売り切れてしまいました。6億円の幸運にあやかろうと買っていくお客様が多かったようです」

 実はこの店、4年前の年末ジャンボでも2等1億円の当せん者を出している。

「それ以降、当たりが出る店として有名になり、売上げも倍近くになりました。今年の年末ジャンボがどうなるか、今から楽しみ」(同)

 みずほ銀行宝くじ部によると、今回販売された宝くじは約2億1000万枚で、1等が20本、前後賞が42本だった。宝くじ売場は全国で9813店舗あるというから、バラで6億円分が1店舗に集中したのは天文学的な確率にも思える。

 だが、業界通によると、実際はバラも完全なランダムではない。今回の販売実績が2万~3万枚、つまり全国平均レベルというこの店でも、1等前後賞がバラで集まることは十分ありうるという。

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