今年は巨人・キャベッジがやらかした! ファウルと思い込んだ「怠慢プレー集」

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 8月29日の阪神対巨人で、巨人の助っ人・キャベッジが満塁の走者一掃の勝ち越し3点タイムリーを放ちながら二塁にとどまったプレーについて、阿部慎之助監督が「(三塁まで)行けるところは行ってほしい。ホームランにならなくて悔しがってただけなんで」と苦言を呈した。そして、キャベッジ以前にも、指揮官をカリカリさせた記憶に残る怠慢プレーがあった。【久保田龍雄/ライター】

スタンドばっかりキョロキョロ見てるからや

 一塁手の“職場放棄”がきっかけで、痛恨の先制3ランを献上する最悪の結果を招いたのが、2008年7月26日のオリックス対楽天だ。

 0対0の2回1死、楽天の先発・青山浩二は、6番・下山真二を三塁線のゴロに打ち取った。

 草野大輔が打球を軽快に処理し、「これで2死」と思われたが、なんと、一塁には誰もいなかった……。ファースト・フェルナンデスがファウルと勘違いして、ベースに入らなかったのが原因だった。

「ビックリしたよ。だって、(フェルナンデスが)いないんだもん。“ウワーッ!”ってなったよ」と目を白黒させた草野は、送球することができず、まさかの内野安打に。

 フェルナンデスはバツが悪そうに右手を挙げて謝ったが、この怠慢プレーで、試合の流れは一気にオリックスへと傾く。

 次打者・一輝も遊撃内野安打で1死一、二塁とチャンスを広げたあと、相川良太がバックスクリーンに特大の先制3ラン。試合はそのままオリックスが3対1で勝利した。

 ひとつのプレーが明暗を大きく分けるという皮肉な結果に、楽天・野村克也監督も「50何年野球やってて初めて見たよ。三塁ゴロで一塁手がいないなんて。珍プレーというか、怠慢プレーというか、守っているときにスタンドばっかりキョロキョロ見てるからや。野球をやってもらいたいよ」とボヤキが止まらなかった。

まさかのシングルヒットに

 長打コースの打球を放った打者が一塁に走ろうとせず、打席で突っ立っている珍場面が見られたのが、2021年8月14日の巨人対中日だ。

 1対6とリードされた中日は9回、先頭の堂上直倫がカウント2-1から畠世周の真ん中高めに甘く入った143キロ直球をフルスイング。打球はレフトライン際のフェアゾーンでフェンスに当たって跳ね返る長打コースとなり、土壇場で中日が反撃の狼煙を上げたかに思われた。

 ところが、ファウルと思い込んだ堂上は、悔しがる素振りを見せ、打席で突っ立ったまま。フェアと気づくと、慌てて走り出したが、結局、一塁止まりとなった。

 この判断ミスが流れを悪くしたのか、次打者・加藤翔平の痛烈な当たりも、セカンド・吉川尚輝への真正面のライナー。2死から京田陽太が四球を選び、一、二塁としたが、大野奨太が遊飛に倒れ、1対6でゲームセットとなった。

 試合後、与田剛監督も「集中力がないようなプレーは、外していかないといけない」と珍しく堂上を名指しで批判した。

 堂上自身も大いに反省し、「あの場面というより、打って走ってない夢を見ました」と悪夢にうなされたそうだが、4日後の8月18日の広島戦で2回に決勝2ランを放ち、汚名返上。「チームの士気を下げるようなプレーをしてしまったので、何とか取り返そうと思い、その一心でやりました」と振り返った。

 怠慢プレーといえば、今も記憶に新しいのが、2023年に巨人でプレーしたブリンソンだ。

 同年8月9日の阪神戦、0対0の5回1死、ブリンソンはビーズリーの150キロ直球をとらえ、中堅フェンスを直撃する長打性の打球を放った。

 ところが、本塁打と確信したブリンソンは全力疾走を怠り、ゆっくり一塁に向かったことから、まさかのシングルヒットになった。

 二塁打と単打とでは、その後の状況も大きく違ってくる。巨人はこの回、2死二、三塁とチャンスを広げたものの、グリフィンが空振り三振に倒れ、得点ならず。

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