日本で働く外国人、最多は「ベトナム人」なのに…ネット上で強まる批判にベトナム人の妻と暮らす日本人が感じること

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過度に恐れるべからず

「あなたは、ベトナム人と交際したことがありますか? 実際に交際すると本当に素晴らしい人がいる。叩いている人は、ベトナム人と付き合ったことがないし、先入観からベトナム人=悪、と認定しているのではないでしょうか。あと、私の妻だって、日本では配偶者ビザを取得するのはかなり厳しかったです。独身証明書を得たり、ベトナム大使館に行って書類を取ったりして、なんとか今、彼女と一緒に生活をしているのです。そこまでして日本に住むようになったのです」

 A氏は現在古紙の回収業を営んでいるが、仕事上付き合う人間は外国人が多いのだという。日本人は古紙回収業のような仕事をしたくないため、外国人がその仕事をやっている。しかも、A氏は都会とはいえないエリアに住んでいるものの、普段行くコンビニではネパール人が働いているのだという。

「今の日本人はコンビニで働きたがらないので、外国人がその役を担うことが多いです。でも、コンビニの仕事って非常に高度で、知的労働なんです。ネットで外国人の存在についてガタガタ文句を言うあなたは、何の仕事をしているのですか? あなたは外国人の知り合いがいるのですか? 我々日本人は外国人に頼って生きているんです。外国人を差別する人は、外国人と一緒にメシを食って、恋愛をしてみませんか? もちろんアホで非常識な外国人はいます。でも、まともな人も多いです。それは日本人も同じではないでしょうか。外国人というだけで危ない存在だと思ってもらいたくない。それがベトナム人の妻を持つ私の思いです」

 外国人が日本に来ることを恐怖だと思う人がいるのは仕方がないものの、果たして白人が来ることをそこまで恐れるか? アジアと中東とアフリカの人間を過度に恐れてはいないか。

ネットニュース編集者・中川淳一郎

デイリー新潮編集部

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